噂の「とよふく」さんへ行ってきました。
●精密な「両眼視機能検査」より、その人の脳の動きの傾向や、性格、ときに人間関係まで言い当てられる。
●いま嗜好している食品だけでなく、ときには子どもの頃の食生活まで当てられる。
●とよふくで組み立ててくれた検査用めがねをかけた瞬間、世界が3Dになる。
●……めがねをかけた瞬間、みんな涙が込み上げてくる。
など、SNSなどに上がっている数々の体験談が興味深い、「眼鏡のとよふく」さん
私も、うわさの「魔法のメガネ」というもので、つかれきった脳のパフォーマンスを改善したいと思い、半年前に予約の電話を入れてみました。
すると……
「コンタクトレンズをやめられますか? まずはメガネに変えていただいて、一年ほど過ごしていただかないと検査は承れません」 とのこと。
そこを何とか・・・と懇願して約半年。昨日、千葉県・佐倉市の「眼鏡のとよふく」さんを訪問することができました。
その体験を記録しておきます。
一見ふつうの、街の洒落ためがね屋さん。
とよふくさんHPより
渡された問診票には、車の運転頻度や、肉・魚・牛乳・スイーツ・嗜好品の摂取などを、詳細に尋ねりる欄があります。
むむ。ごまかしても、「目」でばれてしまうのだろうか。
予約をすればマクロビの美味しいランチも食べられる、ふしぎな眼鏡屋さんです。
店主のとよふくさんは、上記のような感動体験により、「仙人」などと呼ばれているそうですが、今回、私の検眼を担当してくださったのは、とよふくJr.さん(おそらく)でした。
細身のダークスーツが似合う、マンガキャラでいったら「黒執事」風。東出昌大さんにちょっと似てないこともない物静かな雰囲気の…
正直、ホッとしました。こんな年若い方なら私の、脳の癖や性質を言い当てられ、赤っ恥をかくこともなさそう。
ところが。
棒の先についた「ニコちゃんマークを目で追う」など、うわさ通りの変わった検査を少ししたあと、細い指で検眼グラスを優雅につまみながら、黒執事さんは言いました。
「その目で、ライター業をなさっているのは、並大抵ではないでしょう。我慢をされてきましたね。体の不調もたくさん出ているはずです。本当は、スキューバダイビングのインストラクターなどが、合っている目だと思います」
何、それ。
なんだか、自分の中のやわらかい部分を掴まれたようで、眼の底が熱くなってきます。
でも泣くにはまだ早い。検眼は2時間近くかかるのです。
「そ、それは、あとでゆっくり聞かせてください」。
その後も、十字架のタテ棒が右に左にびょんびょん動く映像を目で追うテスト、指で作った三角形の中心に光の点をとらえる…フリーメイソンの合図ごっこのようなテストなどを重ねたあと、
「それでは行きましょう」。
黒執事さんはおもむろに、私の目に、組みあがった検眼用めがねをかけてくれました。
左側の髪を、それから右側の髪を、繊細なかんじで指で梳き、耳下にふわりと垂らし、そしてフレームを1ミリ、2ミリくらい、静かに動かしました。じーん。
第2チャクラと第3チャクラが・・丹田とかみぞおちのあたりが、ジワーンとするんです。これはまるで、腕のよい整体師やセラピストにロックオンされた時の反応です。
そして、ふらふらしながら(床がでこぼこして見える)、黒執事さんについて、店のウインドウから外を眺めると・・。
来る道で眺めてきた、なんということのない冬枯れた街路樹たちが、「飛び出す絵本」になっている。
「わあ、、」と思ったけど、「世界が3Dになる」なんて、前情報を聞かされすぎていたせいか、正直、「それほど大げさなものではないかも」、と思いました。
が・・。
さらに一歩、店外に出ると、歩道の向こうから、ひとりの男の人がやってきました。
その瞬間、「うわっ」とのけぞりました。巨大なジョーズがぐいぐいぐいと迫ってくるみたい。![]()
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こわい。
「うわうわうわ」、と見ているので、スキンヘッドの、その男の人も「なんだなんだ」という感じで、振り返りながら、歩いていきました。
この、肉迫感。
「それが、本来の、人との距離感なのです」。
と、執事さんは静かに言います。
「本来の、物や人との距離感を失っていたから、脳の中でも、自分と世界との距離感がわからなくなっていたと思います。それは、思考や判断力にも、影響を及ぼしていたはずです」
そんな……。
「今まで、視力を上げすぎた眼鏡を使って、平面的にギュッと凝縮された世界の情報を、無理やり取り入れさせられて、目も、脳も疲れきっています」
「また、今までのコンタクトレンズや眼鏡では、ほとんど、左目しかお使いになっていませんから、そういう意味でも、思考に偏りがあったかもしれません」
「今の時代は、視力第一主義になっているけれど、世界はこんなに奥深く、重層的にできている。それを無理なくやわらかく見て、感じればいい。そんなに視力を上げすぎる必要はないんです。目が無理しない状況になれば、近視もじょじょにやわらぎます」
近視が、この歳で回復するかもしれない?
じわじわと、喜びがこみあげてきました。
再び検眼室に戻り、検眼用めがねをかけたまま文庫本を読まされたとき、私の衝撃はピークに達しました。
文章が流れるようにするする脳に入ってきて、タイムラグなくイメージや絵に変換されていく。
適切な画像がないので谷川俊太郎さんの電子詩を拝借いたします。
具体的に言うと、1行目を読んでいる瞬間、
脳の中で既に2行目のイメージが上映され、
同時に3~4行目も、サブウインドウで開いている感じ。
これは・・
速読2.0 ?
全国の小中高校でこのめがねを義務化したら。
偏差値10くらい、スルスルあがるかも。
すぐそういうことを考えてしまうのも脳の偏りでしょうか。
だって、思い出したんです。自分は小学校3年生くらいまでは、こんなふうに本を読めていた!
昼休みの20分くらいで、江戸川乱歩(こどもシリーズ)を1冊読破していた。こんなふうに文章が、4~5行、一気にぼわっと頭の中に入っていたんですよね。
だけど、そういう幸せな時代は、すぐに終わった気がする…
回想にひたっていたら、黒執事さんがまた言いました。
「本来、あなたの目は、右目と左目が、バランスよくピントを合わせて像を結ぶことが、苦手です。だから、一文に集中すること、それ自体が、難しいんです。
だから目がとても疲れ、ますますギュッと目を凝らす。すると思考もギュッと固まる。そして同じ文章を何度も読み返して、頭に入ってこなくなる。その状態でライター業として読み書きするのは、本当に大変でいらしたと思います」
わーん。声を出して泣きたくなったけれど、こらえて聞きました。
「あのう、じゃ、スキューバダイビングのナントカが向いているというのは、どういうことですか?」
「一点に集中するには、難しいタイプの目かもしれませんが、視界に映るさまざまな情報をピックアップするのには向いていると思います。同時に、もっと物事をゆったり眺めたがっている目です。」
あまりにも具体的すぎる適職占い。
確かに、自分は、イベントでマイクをもって司会をしながら、数十メートル後方の人を気にしつつ、手前の人の表情を観察する・・・ような、意識の分散は、楽にできるかもしれません。
原稿を書くより何倍も楽なように思います。同時に、そうした視点のために早く脳のバッテリーが切れてしまいます。
そんなことが、検眼でわかってしまうのですね。
「でも、そうした持って生まれた目の特徴を、サポートするめがねを作りますから、大丈夫です。これからは、さっき本を読まれた状態のように、情報が無理なくやわらかく脳に入るようになりますよ。すると、思考も、変わります」
目から鱗が(・・)。
コンタクトレンズも、本当に目(脳)によくない、劣化させてしまうメカニズムを教えてくれました。怖い…
私は、大事なおめめに、なぜそんなサランラップをかけて放置するようなことをしてきたんだ、見てくれのため?
美しくて奥行きがある世界をちゃんと見られないのに、それと引き換えにしてまでコンタクトレンズは必要なのか。
でも、フラメンコを踊るときにはやっぱりコンタクトレンズを使いたいのよ、メガネの踊り子なんていないのよ。
(しかし、こちらのめがねで視覚が向上し、重度の近眼でも裸眼で試合に挑む格闘家がいらっしゃるとか)
とよふくさんによれば、お店に置いてあるめがねフレームは、
「お顔の磁場」を考慮し、使う人の幸せを願い、その人のエネルギーを落とさせないようなメーカーに「ご縁をいただいている」そうです。
2週間後にできあがるというめがねが、待ち遠しいです。世界中からお客さんが飛行機に乗っていらっしゃるらしいので、予約はいつも込んでいるけれど、待つだけの甲斐はあると思います。



