おいらは、パソコン関連書籍のライターだ。

最新刊は、先日紹介した『はじめてのWord & Excel』。

画面ショットを撮り、「このボタンをクリックすると、印刷ダイアログボックスが表示されるので…」というような記事をひたすら書き続けるのだ。

なにが楽しくて、パソコン書籍のライターを続けているのかわからないとか、もっと楽な仕事をすればいいとか、よく言われる。確かに、昔の同僚や先輩、後輩の中で、ライター専門に続けている人はいない。

パソコン書籍を専門で発行している出版社は多く、ライターの数も多い。競争率が高い上に、ハウツーモノだけに1年から2年と賞味期限が短い。

小説などのように、爆発的に売れることはなく、人に感動を与えることもできない。たんたんとソフトやハードの使い方が解説してあるだけの本だ。

書き始めてから脱稿(原稿を書き上げること)までは、平均して3週間。修正して印刷入稿までなら4週間程度で、176~256ページを完成させる。ソフトやハードの発売に合わせて発行されることが多いため、基本的に原稿が遅れることは許されない。原稿の遅延が続くと、次の仕事がなくなってしまう。

こんな過酷な仕事を何故独立してまで続けるのか。ひとつは、こうして行くことでしか生きていく方法を知らないからだ。
もうひとつは、おいらの本を見つけてくれる人、読んでくれる人、買ってくれる人がいる事が、嬉しくて嬉しくて仕方がないからだ。たとえクレームであっても、読んでくれたからこそ、ミスに気付いてくれたり、使えないとの感想を持ってくれたりするわけだ。そういう報告を受けた時に生きているという実感が湧いてくる。

パソコン書籍は人に感動を与えたり、楽しませたりすることはできない。だからこそ、おいらは、言葉を大事にしたい。言葉を大事にすると、自分を大切にできるし、人を大切にできるようになる、そう信じている。おいらにとって、書くことは生きること。そういう状況にある事は、ラッキーなことだと思う。

いつか人と心がつながる様な文章を書いてみたい。それがささやかな夢だ。