今回も録田先生の授業から、大変素晴らしい教えを頂きました。いつも素晴らしい授業に感謝です。


「伝習録」より『栽培涵養之方』(人を育てる方法)

「伝習録」・・・明代に成立。王陽明の思想や人間性を知るうえでの基本文献。

この時代、科挙に合格するために「官吏登用試験」対策の勉強(古典の暗記や作詩・作文)がもてはやされていたけど、昔からの理想的な児童教育(孝弟・忠信・礼儀・廉恥)は、どこへやら・・・。現代でも大学に入る為だけの受験用の勉強を重視している。いざ大学に合格すると、合格した当人は遊びほうけて勉強せず何も身につかないと言う例は沢山ある。今も昔も、人は変わっていないらしい(苦笑)
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以下、テキストより抜粋。

『昔の教育者は、人として行うべき道を教えた。しかし、後世になって、古典の暗記や作詩・作文の慣習が起こってから、昔の理想的な君主の教えは滅びてしまった。しかし、現在、児童を教育するには、昔にかえって、ただ孝弟・忠信・礼儀・廉恥だけを根本の教えとするべきである。その指導育成の方法としては、まず児童を促して詩を歌わせることによって、やる気を起こさせ、次に礼儀を習うように指導することによって、態度を正しくさせ、さらに書物を読むよう促すことによって、知能を啓発するのがよい。現代人は往々にして、詩を歌ったり、礼儀を習ったりすることは、時代に求められている学問としては適切でないと言う。しかし、、これは皆、後世の堕落した考え方である。そのような考え方をする人々に、どうして古人が確立した崇高な教育の精神を理解することができようか、いや、理解できはしない。』

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