初陣。 | ひっそりブログ「とりあえず。」

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■遅ればせながら、合戦の報告をば。しものせき海峡まつりに参戦してきました。写真は身内で編成する「那須与一追っかけ隊」の提供です。

■着付けを早めに済ませてしまいたかったので、少し早めに出発。着付けを行う場所は下関商工会館。受付で名前と役どころを「那須与一です!」と確認して、鎧の番号札と足袋をもらい、船合戦の乗船のための乗り場番号を腕にマジックで書かれます。私は鎧番号「A22」乗り場番号「4-A」でした。建物の3Fに上がるとまずトイレを済ませてそれぞれ女役の部屋、従者たちの部屋、武者の部屋があり、迷わず武者の部屋へ。鎧櫃が並んでいる中を、A22をさがして…あった! こりゃまたチョイ派手な感じのヤツだな…。武者の役は男女同室での着替えとなるため、あらかじめタンクトップとスパッツを着込んでいます。着付けは3人がかり。まず足袋を履き、タンクトップの上に肌着、単を着て、両腕に射籠手をつけます。袴は金襴、手早く穿かせてもらって、脛当をつけます。草鞋(ビニール製)を履いたらいよいよ大袖鎧。なんと重さ25kg…女性の着付け方が二人で抱えて「よいしょっ!」と右腕から通し、左の脇で締めてもらいます。お…重い…!! 太刀を帯び、「乱髪でかぶらせてください!」とお願いして烏帽子を着けます。とりあえず着付けはここで終了。弓懸代わりのmy手袋をして、腰にそっと持参の笛「東雲」を挿し、携行品を入れた巾着を右腰に提げて変身完了。

■1Fに降りると既に着付けの終わった武者や女官達が隊列の並び順をチェックしています。チーム源氏は…と…先頭に法螺貝を持った山伏さん2名、その後ろに実行委員会の烏帽子武者が一人、その後ろに佐々木盛綱殿、高綱殿兄弟。その後ろに畠山重忠殿、梶原景時殿、佐藤継信殿が3人並び、その後ろに那須与一が一人で歩きます。与一の後ろには弓道連盟の人扮する弓隊4名、その後ろに長刀隊が続きます。与一は実戦部隊を率いるポジションにいるのね…うひゃーー…結構目立つポジションだわ…。おっと、忘れるとこだった、船合戦に備えて乗り物酔いの薬を飲んでおかなければ…。実行委員会の用意した薬もあったんだけれど、my薬を持参していたので、それを飲んでおく。効いてくれよ、パンシロン・トラベル…。

■そうこうする内に時間が来て、武者は背旗を指し、行列参加者全員は商工会館の玄関前に集合します。「かけまくもかしこきいざなぎのおおかみ…」と安全祈願の神事の後、勝鬨や出陣式のリハーサルを行い、諸注意を受けます。隊列を崩さないように、前後両隣の人をしっかり覚えてくださいねっ…て両隣はいないので、前の梶原殿の沢潟縅のシコロと、後ろの賑やかな弓道連盟の皆さんをしっかり覚えることに。

■史実に基づいているかどうかはわからないけれど、すべての進行が「逃げる平家、追う源氏」と言う形で行われます。先発の平家方に遅れること10分、法螺貝を合図に源氏方が出発します。…変な舞台度胸があり、場慣れした素人でもある自分は、結構余裕アリ。下関市役所前を通過し、唐戸商店街へ…沿道のゲストの皆さんの数がだんだん増えてきます。歩いていて、結構回りの話し声が聞こえてくるんです。右から左から「ナスノヨイチ…」「ナスノヨイチ…」「ナスノヨイチだ…」「ナスノヨイチ…女の人だ…」と。私の前に歩く人たちと比べて那須与一は知名度があるからな…。おまけに武者の中で唯一「乱髪に烏帽子」にしたもんだから目立つ目立つ…。愛想のひとつも振りまきたかったところだけれど、「皆さんは、命を懸けた最後の決戦に臨むところです。行列中沿道からの声援に手を振ったりVサインしたり、へらへら笑ったりするのは避けてください。」ときつく言われていたので、まっすぐ前を見て歩きます。第一の勝鬨ポイント「唐戸ドーム下」に整列し、佐々木高綱殿の音頭で「エイ、エイ、オー! エイ、エイ、オー!!」と、力強く鬨の声を上げます。拍手喝采!


「とりあえず。」



■行列はそこから第二の勝鬨ポイント「カモンワーフ」に向けて歩き出します。

「とりあえず。」

■途中、国道を横切らなければならないんだけれど、武者行列に怖いものなし、歩行者信号が途中で赤になろうが警備員さん達が車の流れを留めてくれるので、ゆっくりらくらく渡れます。海沿いのステージで再び勝鬨を上げ、一旦「本陣」と言う名のテント前に集結します。出陣式までしばし休憩、グリーティング・タイム。写真撮影、来る来る。

「とりあえず。」
「とりあえず。」


子どもからお年寄りまで年齢問わず、かなり一緒に写真に納まりました。「与一追っかけ隊」隊員いわく「テーマパークに通いつめてただけあるね、とってもグリーティング慣れしてるわ。会話も完璧よ!」。昔取った杵柄とはちょっと違うけれど、身に染み付いた変な舞台度胸に感謝。

■やがて、出陣式。特設ステージに上がり、鬨を上げます。おおー…すごい数の観客だ。でも全然緊張していない自分。スロープから舞台を降り、船合戦に望むべく、「バス」に詰め込まれてあるかぽーと西の水上署裏の桟橋に向かいます。

■腰に浮き袋を着けてもらい(鎧武者は2個装着)、もう一度乗り物酔いの薬を飲んで船へ。風があるせいか、波が高いし、すげー揺れます。船は源平合わせて80隻。全艇揃って美しくスタートを切るために、乗船したまましばらく待機します。お天気はいいし、波に揺られてるだけというのも何なので、笛を取り出して吹いてみる。同じ船に乗ったのは、佐貫広綱殿と、山伏のおじさん。佐貫殿はおとなしい方だったです。山伏のおじさんに法螺貝を見せてもらってたら、「あんたはどっかの神社とかで笛吹いてるのかね?」と質問されました。「いいえ、趣味でやってます。」「笛がよく鳴っとるねぇ。」「ありがとうございます!」「今日、お客さんに吹いてあげたらええ。」「はい!」……ひょっとして、とんでもないこと言っちゃったかな、私?


「とりあえず。」

■やがて船合戦の火蓋が切って落とされます。平家が逃げるぞー! 追え追えー!!


「とりあえず。」

■続く源氏の船団。波は高いけどその分スリリングでめちゃくちゃ気持ちいい!! 楽しいぞー!! 船合戦って、こんなに楽しいものなのか…!!

■海上パレード=船合戦は、水上署裏から、赤間神宮前の海上を3周します。


「とりあえず。」

■1周目は舳先近くに立ち、観客に手を振る「ノーマル若武者モード」。おおーーーー!!みんな一生懸命手を振り返してくれる…!! 山伏のおじさんの法螺貝も良く響いています。1周目が済んだ時、沖津江でのどかに笛を吹いていたら、「あんた、次はお客さんの所に行ったら笛吹いてね!」と山伏さん。「わかりました!」と元気に返事をしたものの、何吹いたらいいんだ…??船は桟橋近くでUターン。地味に船の上でコケる……。

■2周目スタート。お客さんに近よっていく途中、山伏のおじさんが「吹いて!!」と合図。吹いてって、あーた…えーい、わからん!! アドリブだアドリブ!! かくして2周目、衆人環視の中、ひたすら吹きまくりました。

「とりあえず。」


■船縁に腰掛け、「ひゃりぃー…ひーーーーっ ひゃりぃひゃりぃひゃりぃひゃりぃひゃりぃひゃりぃ…ひょらーーーーろるぅーぅーぅーろぅおーーーー…♪」波の下の都に眠る平家一門にも届けと力いっぱい吹きました。…お客さん喜んでる…!でたらめなフレーズだけれど、おじさんの法螺貝の音とうまく絡んで雰囲気満点だぜ!! おりしもここは壇ノ浦。シチュエーションとしてはこれ以上のものはありません。こんなときって、不思議と指が動くもんだねぇ…。「たとえアズマエビスの源氏でも戦場に雅を持ち込む洒落武者モード」大成功♪ 3周目は、勇ましく船の舳先に立ち上がり、元気に手を振って「荒武者モード」で声援に応えました。楽しい!!楽しいぞーーーー!!焚きつけてくれた山伏のおじさん、ありがとおおおおぉーーー!! ざばざば潮をかぶったし、船上で3回コケたけれど、こんなに楽しいのは久しぶりだーーーー!!

■元の桟橋に戻って下船、浮き袋を外してもらいます。一つ前の船に乗っていた今井四郎兼平殿がひょこひょこよってきて、「いやーーー!!すごいセッションでしたね!!法螺貝と笛のコラボ、すげぇよかったっすよ!」と声をかけてくださいました。「私ら特等席で聴けてよかったー。」と今井殿と一緒の船の女官さんも上機嫌でした。桟橋からまたバスに乗って本陣に戻るのですが、バスまでの道すがら、山伏さんが法螺貝を吹いていたので、その後ろについて、笛を吹きながら歩いてついていきました。お客さん、喜ぶ喜ぶ…♪

■本陣に戻ってやっとお弁当。手早く済ませて、陣屋の外に出て、グリーティングしてると、「ぼちぼち商工会館に戻ってくださーい!」という声。鎧着たまま商工会館に戻ります。直前のゆるい上り坂、非情に脚にコタエました…。

■ふひーーー…大変な一日だった…。更衣室で鎧を解いてもらい、後片付けをして1Fロビーに降りていったら、私を与一役にした実行委員のお姉さんが「お疲れ様でしたー!」と寄ってきてくれました。「メイクはご自分でしたんですか?」「はい、ちょっと研究してやってきちゃいました。」「古風でいいですよー…!」……力入れましたもん。「来年は平家で出たいです!」「是非また応募してください!」…社交辞令でも嬉しかった。出ますよ、来年も。平家の大将格狙います。

■ああ、体が軽くなったのは嬉しいけれど、鎧を脱ぐののなんと名残惜しいことか…。でも、念願の「鎧を着て笛を吹く」も実行できたし、心配してたトイレ対策もまったく支障なかった(女武者はトイレのとき、一旦鎧と袴を脱がないといけないんです…)。っちゅーか、摂取した水分はほとんど汗になってしまった模様。どれだけ熱中して取り組んでいたのか…。成り切れてよかったよ…。

■初陣、無事に勤め上げてまいりました。実行委員会の皆さん、ボランティアの皆さん、一緒に出場した皆さん、37万人の観客の皆さん、そして、わが愛笛「東雲」に心から感謝。また出ます、きっと。