■本日、午前中ちょっとだけ仕事場に顔を出す用事があり、とりあえず定刻どおりに出勤…したのはいいけれど、用事はあっという間に済んでしまった…こんな中途半端な時間があってもなぁ…と思案していると、過去にNHK主催の「義経展」に一緒に行った方(←義経の中の人のファン)から、「お天気いいし、ドライブ行こうや!もっかい壇ノ浦が見たい!」というリクエストがあり、まぁ、クルマで20分くらいのもんだし…行ってもいいかぁ…と、ちょっくらドライブに…。「せっかく行くんなら、また源平縁の地を見てみますか?」と提案して、日ごろ目前を通過するもなかなか立ち寄れない所にも立ち寄ってみました。
■まず立ち寄ったのは、甲宗八幡神社
。正面から見た図。
■石段の両脇には、東に源氏の「源 義経」、西に平家の「平 知盛」様、双方の大将の御名を染め抜いた紅白の幟がずらりと並んで立っています。まずは本殿に軽くお参りして、ふと右を見ると…
■あった…!!道しるべ発見!!
■ご覧くださいまし、齢33歳にして一門の最後を見届け、壇ノ浦の水底深く沈んでいった名将 平 知盛様のお墓でございます。神社の裏手に近いところにひっそりと祀られています。まずは、知盛様に合掌…召し上がりたかったであろう清水(ミネラルウォーターだけど)をお供えしてまいりました(補:この神社の近くでは、お盆になるとちょうちんの灯りが山の上に登って行くのが見えるという伝説があるそうです。これは、「知盛ちょうちん」と言い、知盛様の霊が、山へ水を汲みに行くのだそうです。一説には正に壇ノ浦合戦の日3月24日の夜、知盛様の霊魂が人魂となって、末期の水を求めて山を登る…という悲しい言い伝えになっている場合も…(涙))。今は埋め立てや建造物のせいで、見通しが少し悪くなっていますが、石段を上り詰めて振り返ると、ほぼ正面から左手にかけて、知盛様の所領であった長門彦島が見えまする。
■「知盛の墓」については、福岡県田主丸町
や、三重県伊勢市
にも「知盛の墓」と伝えられている物があり、果ては壇ノ浦合戦には参加せず土佐の山奥で74歳まで生きていたという説までありますが…ここで合戦があったとされるのは1185年3月24日(新暦では4月の終り?5月の初め?)…そんな昔のことを見てきた人は、今の世にはいない訳だけれど、平家物語等いろいろ読んでみるにつけ、鎧二領(2着)を身に纏って(鎧一領の重さは約30kg程度だったと言われています)この流れの速い壇ノ浦へと身を踊らせた知盛様が、一族と共に筑後や伊勢や土佐に落ち延びたとは考えにくいこと、そして、仮に水死者として亡骸が上がったとしても、更に東西に流れを変える海流に乗って少し流されたとしても、せいぜい周防灘~響灘くらいの海域で発見されただろうし(因みに安徳帝のご遺体は小瀬戸の海峡で漁師中島四郎大夫正則の網にかかって引き上げられ、現在の下関市伊崎町
の辺りで一旦安置されたそうです。合掌)、傷みやすい亡骸をわざわざ筑後や伊勢まで運んだことも考えにくい(まぁ、遺髪とかを運べば問題ないけれど)…と言うことから、私はここが一番信憑性が高く、歴史の流れの中で最も相応しいなと思うておりまする。自らの命で築いた門司城の足下近く、所領にしていた場所が対岸に一望でき、己と一門の命運を飲み込んだ海のすぐそば…。
■和布刈神社
境内より早鞆瀬戸を望む…離れ小島北の果てにあるとても古い神社です。平家物語では、壇ノ浦合戦の前夜、神宮橘魚彦による祝詞とお神酒で平家一門の皆様が戦勝祈願をしたとされています。平家一門の皆様も、知盛様や能登殿も…ここを歩いたのかなぁ…?同じ海を見たのかなぁ…?歴史を変える合戦前夜…一体どんな気持ちで…?完全に海に面した神社であり、柵の外の石垣には早鞆瀬戸の波が打ち寄せています。
■関門橋の真下…橋の左手が壇ノ浦、右手が早鞆瀬戸。この時の海流は東流・5ノット・加速中でした。この潮流にのって、合戦の前半は平家方が押してたんですよね…。同じ海峡を見ても、同行者(←義経贔屓、頼朝は嫌いらしい(笑))は「ここでヨッシーが八艘飛びしたんやねぇ~♪」とはしゃぎ、私(←平家贔屓)は「一門の皆様のご無念、如何許りであったことか…(泣)」と袖を濡らさんばかりでありました…。対岸は下関。小さく立石稲荷の赤い鳥居が見えます。
■潮見ヶ鼻の少し先、田ノ浦海岸の少し西より周防灘を望む…合戦当日、平家の軍勢はこの辺りに船を待機させ、小さく見える満珠・干珠の小島の島影に待機した源氏方の船団とにらみ合い、矢合わせを待ったとされています。どんなに時代は変わっても、この風景は当時の平家方の誰かが見た風景と多分同じでしょう…。
■…というわけで、奇妙な源平コンビで気になるスポットをちょっくら巡ってまいりました。結構近い所にも歴史が動いた痕跡があるものだなぁ…。今回は時間の関係で海を渡れなかったけれど、今度は対岸の赤間神宮、清盛塚あたりをこっそり巡ってこようっと。






