■人事異動の季節です。その女性Sちゃんは、同じ職場で向かいの席。元気で仕事がよくできる人です。その人の仕事はコンテンツの企画と作成。並んで座っているデザイナーさんと一緒に、日本語が通じない且つ甚だしくデキの悪い上司に足を引っ張られながらも納期は絶対に守る、手堅い仕事をする人。連携して仕事をする私もとても助けられていました。仕事以外のこともエネルギッシュに取り組む姿勢に職場の人間の信頼も厚く、実に貴重な人材でした。
■既に熟練の域に達しているその人が転勤することが決まり、我らの仕事へのダメージは計り知れない物があるけれど、誰よりもダメージが大きいのは一緒に働いているデザイナーさん。ここ数日ずっと、何となく一日中涙目でいる状態。ずっとずっと、デキの悪すぎる上司に足を引っ張られながらも、二人三脚だったもんねぇ…。
■身内だけの送別会をこっそり行いました。気心の知れた仲間だけの楽しい呑み会でした。シメの乾杯の前に「ヌケガケしちゃいますけど、これは私から…。」とデザイナーさんが餞別の品をSちゃんに渡します。「うわー…ありがとう…!!」と受け取ったSちゃん、早速開封。そして号泣…。
■中身はTシャツとエコバッグでした。ただし、Sちゃんとデザイナーさんがここ数年で、デキの悪すぎる上司(←何度書いても足りないくらい(憤怒))に足を引っ張られながらも生み出してきたコンテンツのキャラクター達が一面にプリントされた、世界で一枚のオリジナル・Tシャツとエコバッグ。紛うことなく二人の努力の結晶です。これはすごい爆弾だ…。「ありがとね…ありがとね…」と、Sちゃん。「ヌケガケしちゃってすみません。」と涙を拭きながらデザイナーさん。「いや、このプレゼントはあなたにしか作れないよ。」。
■……なんか、見たことのある風景だな……。……っちゅーか、そのままじゃん……。今も昔も、ちょっと絵心のある人間は惜別に際し、オリジナルでこういうもの作って渡したくなる物なんですよ。憶えててほしいからね…。忘れ去られてしまうことほど淋しいことってないですから…。そして、こういう別れは決まって唐突に決まり、知らされることが常なので、その人に会える最後の日までの僅かな時間の中で大苦戦するのがお約束。疲れ果てちゃうんだけれど、やむなく睡眠時間平気でがんがん削ったりするんですよね…。更に、何故かちゃんと完成しちゃって、手渡すと泣かれるor泣かれそうになるものです。とにかく、頭の中がそのことで一杯になってしまって、その中で自分にできることを探して、心に残る、思い出してもらえるオリジナルの物を造ろうと思うんですよ…。
■デザイナーさんもきっとあの時の私と似たような思いでいるんだろな…。ダメージ…結構続くからなぁ…本当、しばらくって言葉では済まされないくらい後を引くし…苦しんだり痛かったいする時間って、妙に長く感じてしまう物ですしね…自分で忘れたと思っていても否が応でも思い出させられることもあるし…。
■やがて、「死んでしまったわけじゃない、この後も元気に活躍してる」って実感できると、痛手はかなり軽減されるんですが…それに気づくまでは、しばらく時間がかかりそうだわ…。しかし、こういうのを乗り越えると、大概のつらいことや苦しいことには動じなくなるもんです。鉄が打たれて強くなるように…。静かに、密かに、見守ろうと思います。行く方も、残る方もがんばらなきゃね。