■なんだかんだで見続けている大河ドラマ「義経」。壇ノ浦の回が放映されましたねぇ…なんと申しますか…最終回を見終わった気分。私は今年の大河は「平知盛」様が主役だと、つくづく思ってしまいました。エエ男がどんどん死んでいく…(泣)。(佐藤継信殿も屋島で討死したしなぁ…)
■ところで。壇ノ浦からそう遠くない所に住んでいる私の言い分。「壇ノ浦は、あんなに穏やかで広々とした海ではありません!」。海峡で一番狭い所は約650m、それ故に、潮流の変わり目には一瞬凪ぐ物の、普段の海流は約7~8ノット(12.96~14.82km/h)、最高で約10ノット(18.52km/h)。今も昔も海の難所にして要所とされている過酷な海峡でありまする。あんなに穏やかな海は、間違っても壇ノ浦ではありません。早鞆の瀬戸とはよく言った物、とろとろ漕いでたら流されるぜ。
■更に、「潮の流れは変わるけれど、渦は巻きません!」壇ノ浦は一日4回流れが変わりますが、極狭い海峡で、反対から反対に直接流れが変わるため、海峡内では渦を巻く間もなく、あれよあれよと流れが切り替わります。ドラマの画面に何度も渦潮が映っておりましたが…一体どこの海…?ドラマで放映された海は三浦海岸でロケしたものらしいですが…。
■それにしても、平家軍の総大将、中納言“阿部”知盛様は本当にかっこよかった。狩衣に立て烏帽子の公家装束の頃は普通にかっこいいと思う程度だったけれど、具足一式身に着けた勇猛果敢な武者姿を見てからというもの、私の頭の中に、俳優の「あべちゃん」でも歴史上の人物「平知盛」様でもない、中納言“阿部”知盛様が誕生したです。身の丈六尺、水軍の長にして平家の総大将、力強くて逞しく、ひたすら雄雄しく見目麗しく…あんな美丈夫、滅多におらんですよ。感情移入して見ていたから、立ち回りには胸躍ったし、入水のシーンは悲しかった…。鬼神のように戦いまくった後の、己と一族の運命を悟った表情…その後の「錨知盛」見事なり。天晴れな散り様に惚れ惚れ。泣きそうになっちゃった。もしも私が明子様(アキラケイコ:知盛の奥さん)だったら、御座船からは入水せず、何が何でも、錨&愛しい知盛様と手に手をとって共に入水して果てたいと思うほどのかっこよさ。「滅びの美学」を感じましたです。今回限りで生身の中納言“阿部”知盛様にはお目にかかれないと思うと、淋しいなぁ…。
■さて。歌舞伎や能には「船弁慶」というのがあります。義経が都落ちする際に大物浦を出帆し、筑紫へ逃れようとしているときに、悪天候のため時化に遭い、遭難しかけます。その折も折、義経によって壇ノ浦の藻屑と消えた平家一門の皆様が怨霊となって、波間に浮かび上がり、義経一行を海に引きずりこもうと襲い掛かってきます。猛将平知盛様の亡霊は薙刀を振りかざし襲いかかります。義経は刀を抜いて立ち向かおうとするけれど、弁慶が念仏することで怨霊を退散させた…というエピソード。…っつーことはだよ。また出てくださるのかい、中納言“阿部”知盛様…? 亡霊でも妖怪でも何でもいいから、も一度出てきておくれよー…。仕事場から少しの所に平知盛様をお祀りしてある神社(知盛様のお墓あり)があるんですが…更に、13分ほどかけて船で海を渡れば、平知盛様を含む平家一門を弔ったとされるお寺があるんですが…そこに詣でて直談判してきたい気分だ。
■というわけで、謹んで哀悼の意を込めまする…。
知盛様、今はどうか、安らかに…。