今回はオンラインミックスを発注する際に良く聞かれるパラデータの書き出しについて簡単に纏めてみたいと思います。
パラデータとは楽曲の全部の音がまとめてある2ミックスではなく、各トラックごとに別々に書き出したデータの事です。
作った曲のトラックが20トラックであれば20個の、50トラックであれば50個のファイルになります。
お使いのDAWによって書き出し方はそれぞれですが、
例えば、
Cubaseでは上メニューから「書き出し」→「オーディオミックスダウン」を選択、左上の「マルチチャンネルの書き出し」にチェックを入れ「書き出したいトラック」にチェックを入れ書き出しをクリック。
Logicでは上メニューから→「ファイル」→「書き出す」→「すべてのトラックをオーディオファイルで...」を選択し保存をクリック。
Liveでは上メニューから 「ファイル」→「オーディオ/ビデオをエクスポート」 → 「レンダリングされるトラック」で「すべてのトラック」を選んで、「OK」をクリック。
StudioOneでは 上メニューから「ソング」→「ステムをエクスポート」→「書き出したいトラック」にチェックを入れOKをクリック。
などの方法で簡単にパラデータを書き出すことが出来ます。
・パラデータ書き出しの際の注意点
①新しく書き出し用のフォルダを作る
パラデータの書き出しでは各トラックごとに書き出すことになるのでトラックの数だけオーディオファイルが書き出されます。
DAWによっては書き出し時に自動的に新しいフォルダを作成してくれるものもありますが、そうでない場合はファイルの管理が大変になるので先に「曲名_Para_Date」などの名前で新しいフォルダを作っておいてそこに書き出しましょう。
②各トラックに名前を付ける
パラデータの書き出しでは各トラックごとに書き出すことになるので、各トラックにわかりやすく名前を付けておきましょう。
これをやっておかないとどのファイルが何の音なのか聞くまでわからないので、後から名前を付けようとしてもとても大変です。
音の確認だけで作業に入る前に大変な時間を割くことになってしまうので、データのやり取りをする際にはどのような場合でも何の音のデータか分かるようにして渡すのが良いでしょう。
トラック名の付け方としては、
Dr_BD→バスドラム
Dr_SD→スネアドラム
Dr_HT→ハイタム
Dr_LT→ロータム
Dr_FT→フロアタム
Dr_HH→ハイハット
Dr_RD→ライドシンバル
Dr_OHL→オーバーヘッドL
Dr_OHR→オーバーヘッドR
Ba_Line→ラインのベース音
Ba_Mic→ベースのマイク
E.Gt→エレキギター
E.Gt_Lead→エレキギターのリード
E.Gt_Solo→エレキギターのソロ
Ac→アコースティックギター
KeyL→キーボードL
KeyR→キーボードR
Per→パーカッション
Tp→トランペット
Tb→トロンボーン
A,sax→アルトサックス
T,sax→テナーサックス
SynL→シンセL
SynR→シンセR
Pf→ピアノ
Vo→ボーカル
Cho→コーラス
などと言った感じで表記するとわかりやすいと思います。
日本語だと使っているパソコンの機種により正しく表示されない場合があるので半角英数字表記が望ましいです。
同じパートが複数ある場合はVo_01、Vo_02と言う風に番号を振りましょう。
人に寄って多少表記のしかたは違いますが、そのトラックが何の音なのか分かることが大切です。
③エフェクトをオフにする
曲を作っている段階でコンプやEQ、リバーブやディレイなどの各種エフェクトを使用したりする場合もあると思いますが、それらは基本的には全てオフにして書き出しましょう。
エフェクトの掛かっていないドライな音なら後から効果的にいくらでもエフェクトをかけれますが、エフェクトが掛かった状態で書き出した音を後から掛かってない音にするのはほぼ不可能です。
ただしギターソロやアルペジオなどでのディレイやトレモロなど、エフェクトがフレーズの一部になっている場合はそのままで大丈夫です。
④フェーダーは0合わせで
ミックスはボリューム調整なども全て一からスタートします。
フェーダーの位置は一番音が良く繊細にコントロールできる定格(ゼロの位置)で書き出しましょう。
⑤モノラル、ステレオの確認
モノトラックをステレオで書き出してしまうと後々の処理がすこし面倒になります。
ステレオトラックをモノラルで書き出してしまうと元のようなステレオ音源には出来ません。
モノラル、ステレオが選べる場合は元のトラックに合わせてモノラルはモノラル、ステレオはステレオで書き出しましょう。
⑥書き出し位置は楽曲の頭から
楽曲を制作しているとボーカルはイントロ終わりから、AメロのフレーズはAメロの少し前から、サビのコーラスはサビの少し前からと言ったように各トラックの音は様々な場所から始まっていると思います。
ただしパラでトラックデータを書き出す時は各トラックとも全て楽曲の頭から書き出すようにしましょう。
そうすることで書き出したトラックの始まりをそろえることが出来るので、トラック毎に頭がバラバラで位置がずれてしまうと言った事態を防ぐことが出来ます。
⑦書き出すフォーマットの確認
データを書き出す際、どのDAWでも書き出すデータのファイル形式、サンプルレート、ビット数などを指定する事が出来ると思います。
ファイル形式はwavかaiff、サンプルレートは48kHzか96kHz、ビット数は24bitが一般的です。
CDの音は44.1kHz16bitなのでそれでも大丈夫です。
mp3などの容量の少ない軽いデータはその分圧縮されて情報量が少なくなってしまっているので絶対にやめましょう。
⑧新しいプロジェクトで確認
書き出しが終わったら一度新しいプロジェクトを作成しそこにデータを読み込んでみましょう。
ノイズの乗っているトラックは無いか、途中で切れているトラックは無いか、書き出し忘れたトラックは無いかなどここで確認しましょう。
⑨データの転送
パラで書き出した楽曲のデータは簡単にメールに添付して送れるような容量ではありません。
オンラインのストレージサービス(GigaFile便、FireStrageなど)を利用して送って下さい。
以上基本的な注意点を纏めてみました。
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