セピア | Studio Forest ・・・ 森に暮らす

セピア

渡された写真の束を そっと机の上にひろげてみる。


90年近くに渡る、一人の方の写真の数々。

セピア色のつぶらな瞳の赤ちゃん

詰襟を着た、得意満面の男の子

ポケットにてを突っ込み、上目遣いにこちらを見る若者

照れながら若い女性とこちらを見て笑うスナップ


セピア色の写真から やがてカラー写真に変わるとともに

男の顔には皺が刻まれていく


写真の裏に書かれた 真新しい筆跡のキャプションが

家族の思いを物語る。


ひろげた写真を丹念に見てから

おもむろにMacを開く


よし、やるか。


ーーーー
今日は古い写真を修復・編集してまとめる仕事でした。
この手の仕事をするといつも思うのですが、数十年のあいだ生き残ってきた写真には、ちからがあります。

構図だライティングだ、そんなことはどうでもよろしい。

その瞬間にシャッターを切って、それが時を経ていま、目の前にある。

写真の価値ってそこに尽きるのかも知れません。

瞬間を写止めることに躍起になっている僕たちは、流れゆく時間にはどうやっても勝てないのかも知れませんね。