精神医学者のフランクルは、生きていることの意味を問うことが、人間と動物との本質的な違いの基準であると述べている。
自分が生きていることの意味を問うことは、私たちの精神的な成長の証であり、その知的な誠実さの表れである。
ユダヤ人であったフランクルは、第二次世界大戦中にナチスの強制収容所で家族虐殺され、自分だけが生き残った。
彼は収容所の絶望的な状況の中でも、あちらでは優しい言葉をかけ、こちらでは最後の食べ物のひとかけらを人に与えた人がいたと語っている。
彼らは人生の絶望たかだかであってもいかに生きるべきかという問いに、常に人間らしい誠実な態度によってこたえた。
フランクルはこれを態度価値と呼んでいる。
いかなる運命であっても人間らしい態度をしなわずにそれと向き合うところに人としての尊厳に満ちた態度価値が実現される。
このように常に人生を尊重し、人間らしい尊厳に満ちた態度で生き抜くところに、人生の深い意味がある。
フランクルは、人生にはそれ自体で意味があると述べ、どのような状況でも常に人間らしい態度で生き、人生にイエスと言うべきだと言っている。
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人間とは何か 実存的精神療法
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