雨の日曜日に『独特老人』、赤ワインとともに。 | サルビア書店:::::本を読むひと

雨の日曜日に『独特老人』、赤ワインとともに。


サルビア書店:::::本を読むひと 雨降りの日曜日。
子どものころは雨のお休みが嫌いだった。

せっかくのお休みなのに、

外で遊びたいのに、

さっちゃんのウチに行きたいのに。


雨降りの日曜日は大人の心に休養を与える。

用意周到で段取り上手。

そんな効率性が重視される仕事の日々と違って、

無為に時間を過ごしても許されそうな気がするから。


そんな無為な時間におすすめなのは、

午後一時からの赤ワインとパルミジャーノのミニトースト。

一冊は『独特老人』。


お昼間からワインなんて、雨の日だから、いいじゃない------。


名編集者・後藤繁雄が、「先生が欲しかった」と「巡礼」した

大老人たちへのインタビュー集。


山田風太郎さんは、不規則正しく、産み続けたんだ。

でも、きっと産んだなんて思ってないだろう。


鶴見俊輔さん。模索、探求を続ける哲学者。

この対談で、私は鶴見俊輔への巡礼を始めた。


この本の大老人たちの多くはすでに他界している。

私たちは、著書を読むことで、足跡をたどることしかできないのだけれど、

追い続けたくなるひとがこんなにもたくさん居るのだという、その事実だけで

雨の日の日曜日は満ち足りた時間になる。


私はどんな老人になろうか-----。


『独特老人』

後藤繁雄編著、筑摩書房、@2800+税

(重版予定無しのようです、古書店でお探しください)


サルビア書店 秋月