毎日のように妻のお腹に向かって
声をかけていたけれど、
正直なところ、まだ父親になった実感を
持てずにいた。
産まれたばかりの我が子が、
僕の指を握って、頼ってくるのを
目にするまでは。
うっすらと目を開けながら、
一生懸命僕が誰だか見ようとしてくれている。
小さいけれど生命力溢れるその身体を、
慣れない手つきで一生懸命抱っこしてみる。
鼓動と息づかいを身体で感じながら、
出会えた喜びをかみしめていた。
産まれて来てくれてありがとう。
これからもよろしくね。
そうつぶやくと、
こころなしか目が細くなって、
ニッコリ笑ってくれた気がした。

