「家の図鑑」出版 その2

社団法人建築家住宅の会を設立した時に、
「より多くのひとたちが建築家の住宅の豊かさや心地よさをを知ることのできる本をつくろう。」
という意見が出てはじまったのが今回の本『家の図鑑』です。
その時に、編集者や他の建築家と話したのが、
「建築雑誌の文章は、専門用語を多用するので、読みにくいし、読まれない。」
「図面は建築のことばとはいえ、専門家以外、だれも読めない。」
「ひと目でその心地よさがわかるような、明快な表現方法がよい。」
といったことでした。
建築雑誌や書籍は、単純なことも難しそうな言葉で書くのが、慣例になっている感がある。
たとえば、仕上げの写真の説明で
「工業製品という画一的なマテリアルにスケールとテクスチャーの感覚を操作するプロセスを挿入することにより既存の形態言語の解体とリアルな生活環境への再統合を意図している」
そうじゃなくて、
「よく見るベニヤ板もこんな手間を加えればメリハリのある表情に!」
と書いたほうがいい。
たくさんの写真、図面、文章を集めて議論を重ね、最終的に118のアイデアに絞り込まれました。
ブックデザインは、あの文平銀座さんが担当され、とても素敵な本になりました。
一枚の写真とそこに添えたひとことで、建築のアイデアを感じてもらえたらと思います。
「あなたの祖母に説明できない限り、本当に理解したとは言えない。」
とは、アインシュタインのボットだったかな。。。