第2の図面
最近は現場での撮影技術もデジタル化が進んでいます。
まず、現場での太陽の方位角度をすべてアイフォンのアプリで予測して当日の撮影スケジュールをたてる。
撮影している画像は、パソコンの画面を第2のファインダーとして活用し、構図や光のバランスをとる。
夕景は、夕日から蛍光灯まで色温度の異なる光源ごとに撮影して、色バランスをコンピューター上で操作して合成する。
技術の進歩というのは、商業写真においては、消費者が見て欲しくなることにのみ向けて利用されます。
住宅の宣伝では、電柱や隣家の無い広大な前庭に美人な妻と娘がくつろぐ写真を合成して、物欲を刺激する。
そんな妻子はたまにいるかもしれないが性格がいいとは限らない。。。
車の宣伝では助手席に美女を乗せて、幻想的な風景を華麗に走る。
たしかにそういう気分で運転している人はいそうだ。。。
でも、建築写真というのは、建物の構成や計画意図を伝える第2の図面として撮影するものだから、
技術がどこまで進歩しても、現実の空間の構成や質感をいかに正しく精緻に写すかが目的です。
まあ、機材は進歩しても、みんなでホウキとかポリバケツとか必死に移動してるのは昔と同じなんですけれどね。
