河童の三平
「ゲゲゲの女房」の大ブーム
僕は早起きできず見られませんが、
菱谷は毎朝弁当など作りがてらうるうるしていたようです。
有隣堂の文庫コーナーにも水木作品が平積みされているほどで
こどもの読んでいた「河童の三平」を拝借しました。
小人、河童、死神、たぬきとともに食って寝て屁をして死ぬんだけれど、
手塚治虫の「火の鳥」のような倫理というよりも
生き死にがもっと自然に自分の中にあるかんじ。
たまたま最近聞いていた小林秀雄の講義テープのなかで、
祠(ほこら)の中を覗いた時に死者の魂に遭遇し発狂しそうになった
柳田国男のとてつもない感性が語られています。
現代科学は、科学的で合理的な思考によって解明できない事物の存在を否定してしまう。
精緻な情景描写もあいまって
神話のような幻想的な世界に惹きこまれていく楽しみがありました。
