追悼 坪内幸汰 享年22歳。 2022年10月2日

昨年10月2日、坪内幸汰が自殺した。

彼が憧れていた引きこもりライダー田代剛を追う様に、日本一周を成し遂げた後にダムに飛び込んで22年の人生に別れを告げた。

私もバイクフリークで、北海道を一周した時の楽しい思い出から彼のFBにアップされる北海道の景色を楽しく見せてもらっていた。何度か素晴らしい景色を見せてもらった後、久しぶりに訪れてみると訃報の知らせ、後で知った彼の病状や憧れのライダーの最期の事。

今は付き合いがないが、かつて仲間だった「鉄馬に跨る不良牧師」なら彼と話し合い踏み留められた可能性があったかもしれない、残念でならない。

 

自死を選んだ以上、彼をヒーロー視する事は出来ないが、これほど壮大な大自然を観ながらも自死を選ばなければならない発達障害(アスペルガー・ADHD)とはどんな病気なのだろう。

彼がもし単独で無くグループで日本一周を成し遂げたなら違う結果になったのだろうか。

知り合いに聞いたところ、グループ行動は出来ないのだそうだ、

だから一人で行動していたのだそうだ。

人の純真さとは何と儚い物だろう、

 

知り合いとの話の中で出た彼の行動の解説で、こんな話しがあった。

その知り合いは彼が50年前に産まれていたらADHDを発症しなかったかもしれないと言う、

日々の生活に苦労する人々を毎日見ていたら精神の発達の方向が変わったかもしれないと言う。

現代の「おちゃらけた不真面目な生き方に憧れる」時代が、彼らを創ったかもしれない。

 

黒澤明は幼い頃、今で言うADHDだった、

戦時中と言う事もあり田舎に疎開させられ、食糧不足だからと握り飯三つを腰にぶら下げられて朝のうちに山に向かわされ、夜まで帰って来るなと言われたそうだ。

本人曰く、

「子供というのは天才でね、山にある色んな物を使って遊び回る、怪我をしても足を引き摺りながら遊ぶ。こんな事を毎日続けていれば逞しく成るよ」

「あの経験がなければ僕は単なる変人で兄貴の後を追いかけて自殺したのじゃないかな」・・・

つくづく思うのは人にとって何が幸いするか、判らないという事。

kotaが日本一周中に事故にでも巻き込まれ、誰かに助けられ、あるいは誰かを助けていれば、また違った終わり方だったかもしれない。

唯一残された笑顔の「優しそうな一枚」に哀悼を捧げる。

 

                                  

                      by がんこGG