絶望の中で世界に語りかける「アフガニスタンの少女」 

 

 

アメリカ軍が撤退を表明した途端に、タリバンが首都を攻略、ほぼ全土を掌握した。

武装した反政府テロリスト集団にこれほどの資金提供をしたのは何処の誰だろう。

温和な政府軍は戦わずに政権を放棄した。

我が国からの膨大な国際援助で成し遂げた物はタリバンに渡り、

緒方貞子から中村哲へと繋がる20年以上の国際貢献の成果が水泡に帰す。

 

 

 

 

アメリカや前政権に奉仕した者は殺害される。先を争って国外を目指した者達で溢れる空港ではイスラム国の自爆テロで七十人以上が亡くなった。

テロリスト同士の自己主張合戦で民間人が犠牲になる。

この状態でもアメリカの失敗を嘲笑する中国やロシア、韓国に至っては自衛隊の邦人避難が進まない事を日本の失敗と断じ、あきれた事に彼等の成功と比べ韓国の勝利と報道した。

ナショナリズムは人の心も破壊する。

 

コロナに拘束され、苛ついた我が国の身勝手な世論は、メディアの扇動に乗りコップの中のさざ波ばかりに気を取られ、世界情勢には無関心だ。

 

 

香港もウイグルもモンゴルもチベットも数ミリも進展しないままにアフガンの政府転覆である。

もはやアフガンに正義は無い、いや彼等なりの正義なのかもしれない。

しかし、彼等なりの正義では女性の自立は認められない。教育すら違法である。

この事実を、森元首相や張本を女性蔑視と決めつけて大騒ぎした輩はどうするのか。

 

現地を取材していた女性特派員がTwitterにあげた少女の映像が世界中の注目を集めている。

 

人を救うはずの宗教が人を苛む。

人の世の終わりが始まったのかもしれない。     亀田幸則

 

 

「私たちに価値はありません。なぜなら私たちはアフガニスタンで生まれたから。

もう涙をこらえることができません。この動画を撮るために涙をふかないといけないけれど......。誰も私たちのことを気にかけてはくれない。

私たちは歴史のなかでゆっくり死んでいくでしょう。おかしな話でしょ?」