ホンダ  29年ぶり 「モナコグランプリ優勝」

トヨタ  水素エンジンカー  富士24時間耐久レース完走

 

 

 

質の違う二つの快挙だが深い所では繋がりがある。

 

F1最後の年にモナコで優勝できた事はホンダにとって忘れられない出来事となるであろう。

大方の人は「どうせまたいつか復帰する」と言うが、私は無いと思っている。

 

トヨタがF1に参戦していた頃、どれだけ酷い妨害をされていたかご存知だろうか。

 

理由はトヨタがエンジンサプライヤーとしてでは無くチームとして参戦したからだ。

後日ヤルノ・トゥルーリが語ってくれて判った事だが、ヨーロッパでF1は貴族のスポーツとして始まった事から優勝はドライバーの手柄と考えられていた。

そしてそのドライバーを擁するチームの競技である事からチームとドライバーが主役である。

エンジンサプライヤーが日本であろうと何処であろうが履いたタイヤがブリジストンであるのと同様にさほど自尊心は傷つけられない。

だがオールジャパンとして全てがトヨタでの参戦では話が違ってくる。

かつて本田が挑んだ60年代とは事情が違うのだ。

 

始まりはF1に復帰するロータスにトヨタがエンジンを提供する話であった。

経営難のロータスがトヨタに吸収合併を希望した為だ。

事実、一時期コーリンチャップマンがトヨタのCMに登場していた。

あまりの名門である為に下品な行為はせず、出資に留めている隙にGMに持って行かれ、

トヨタのF1参戦は流れたと判断した次の年の参戦表明に関係者は衝撃を受けた様である。

シャシーまで自前でゼロからの参戦あれば暫くは勝てないであろう事は周知の事実。

今にして思えばその頃からすでに日本叩き(トヨタ叩き)を画策していたのであろう。

ハイブリッド車の完成が拍車をかけた。

 

どのメーカーにもあったトラブルだが何故かトヨタの場合だけ欧米で訴追されたのである。

全米では公開裁判や議会でも吊るし上げられ信用失墜、株価も販売も大暴落させられた。

トヨタにした事を相手が中国の企業であっても出来たであろうか、

日本の国民性が中国のようであったらどうなっていたであろうか。

 

F1撤退の理由を表向きはリーマンショックとしているが実はトヨタを合法的に潰す計画の存在を前年度に察知したからである。恐ろしい話だ。

ファンなら知っているだろうが「F1にイエローはいらない」のである。

 

全米を挙げた冤罪事件の「トヨタ叩き」に一人立ち向かったのが当時の社長 豊田章男。

 

ハイブリッドでも燃料電池車でもトヨタに先を越された欧米メーカーが、今回もゲームチェンジの為に無茶なEVシフトのをした。彼らは何故そこまでして日本の技術を叩くのか、

平等を説きながら最後は自尊心に囚われる彼らのプライドは身勝手だ。

これでは中国と変わりない。

 

それらに対するトヨタの回答が「水素エンジン」である。

 

 

「世界標準になる事はない」と言われ、無駄な努力と言われながらもこだるメーカートヨタが

全世界で吊るし上げられた前年にF1撤退を決めた男、豊田章男のドライブでゴールした水素エンジンカー。

 

元F1ドライバー小林可夢偉の進言で始めた水素エンジン車でのレーシング活動、自動車業界の雇用と内燃機関の未来を創る為と語る豊田章男代表。

車好きの私としては何とも心踊るニュースである。

彼らを応援したい。  by がんこGG