「ヴェラ」が始まった。第10シーズンである。

名作だった「刑事フォイル」やお馴染みの「バーナビー」「ルイス」などのイギリスミステリーの中で今一番のおすすめドラマである。

主演のブレンダ・ブレッシンの鬼気迫るおばさんぶりが素晴らしい。

昨今の日本のドラマ、いや何故か評判のアメリカや韓国ドラマも私には「大きな勘違い演出の成れの果て」と言った風に見える中で、イギリスドラマだけは今も王道を走ってくれている。

無理のない筋立ての人間の業を、美しいが奇をてらわない映像で綴った秀作。

ブレンダには失礼だが、美男美女が一切登場しない配役で、どこにでもあるが見方次第で美しい風景の中、地味だが堅実な推理が展開する人間ドラマである。

メッセージ性の強かった「刑事フォイル」や「ジョージ・ジェントリー」も良いが

こう言うなんでもないドラマが世界中で流行っていると聞くと何故か安心する。

それにしてもイギリスの演劇界は役者も演出家もそして脚本家も一流だ。

羨ましい。

ただ、サブタイトルの「女警部」の表現は今時、差別と言われないのだろうか。

 

 

ここからは愚痴である。

今の日本のドラマに見る物はないが、私が歳を取ったせいなら仕方ない。ただ、カメラが進化したからといって薄暗いだけの灰色の闇の様な映像はいただけない。作り手側の自己満足はいつも観る側に鬱陶しい。

本当にプロが撮っているのだろうか。

読みづらい文字で書かれた小説の様である。