追悼    弘田三枝子  そして  山本寛斎

 

戦後8年、ようやく日本の自治が認められ国内の外国人達に詐取されずに貿易が開始された頃

最初に日本に入ってきた西洋の文化がTV番組とインスタントコーヒーであった。

今にして思えばマーガリンが戦場の為に開発されたように、インスタントコーヒーも戦場用に開発されたものであり、かなり昔からあった様だ。ビリーワイルダーの「情婦」のシーンでタイロンパワーがディートリッヒに渡した物の中にインスタントコーヒーもあったのを記憶している。

当時は缶に入っていたが、瓶入りが開発された事で戦後世界中に広まった。

日本にも60年代初頭に輸入され新しい生活習慣としてコーヒーが庶民の味となったがそれを後押ししたのが当時徐々に普及し始めていたテレビのコマーシャルである。

「43粒スプーンに一杯」と歌ったのが弘田三枝子。

日本人が苦手とした洋楽をいとも容易く歌いこなす彼女の歌唱力は抜群でこのコマーシャルでもその片鱗が見て取れる。

日本でそして世界でインスタントコーヒーを定着させたネッスルが次に狙ったのが上級嗜好のゴールドブレンド。「違いがわかる男」のキャッチコピーで差別化を図り、カニバライゼーションを避ける販売方法の成功でシェアを独占し、世界一の食品会社となった。

今では地球環境保護に最もお金を出す企業として知られている。

その「違いがわかる男」として1982年に登場したのが山本寛斎、当時38歳。

この頃は三十代で大人である。

 

今では貴重な初期のコマーシャル音源、寛斎編、そして一時話題を呼んだOpen up 編

歌唱は五島良子。

 

因みに「ダバタ」とよばれる有名なスキャットはアルプスの少女ハイジのオープニングテーマを歌った伊集加代。

ジュリーファンには「6番目の憂鬱」の「I don't need your love at all」で有名である。

 

https://www.youtube.com/watch?v=4Z6NPa8aIVE&feature=youtu.be