かつて反戦映画百選と言う企画に参加した事があったがその時に驚いた事がある。

今まで数々の名画と呼ばれる映画があったが、それらの大半は何らかの形での

反戦映画であると言う事実だ。

声高に戦争反対などと言わずともそれらの映画に魅せられているうちに自然と心の中に戦争の悲惨さや無情さが醸成されていたのである。

普段の人の生活の中にある心を情緒豊かに描くだけでいいのだ。

これが出来ないから今の映画は派手だか淡白なのだろう。

 

抑えるからこそ溢れる感情の表現の見事さで私が推薦したのが「ひまわり」だ。

あまりにも有名なので感想は省くがソフィア・ローレンの見事な演技とヘンリーマンシーニの信じられないほどマッチする哀愁のメロディーが秀逸で

音楽を聴くだけで映画のシーンが鮮やかに蘇って来る。 この、

映画と音楽と自分との独特の距離感は、その時代に映画を鑑賞する事が出来た人々の特権である。

大いに特権を行使しよう。 

 

探し当てた夫との再会の直後にいたたまれなくなって逃げ帰る列車の中でのシーンは私の最も好きなシーンである。この演出・演技はみごとである。

 

https://www.youtube.com/watch?v=GDO8Wgv7aTE&feature=youtu.be

 

 

 

 

第二次世界大戦下のイタリア。ジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、美しいナポリの海岸で恋におち、結婚する。その後、アントニオは厳しいソ連の最前線に送られ行方不明になってしまうが、ジョバンナは何年経っても戻らない夫のことを生きていると信じて疑わな い。終戦後、手がかりもないままアントニオを探しに単身ソ連へ渡るジョバンナ。しかし、広大なひまわり畑の果てに待っていたのは、少女のように可憐なロシア人女性マーシャ(リュドミラ・サベーリエワ)と結婚し、子供にも恵まれた幸せなアントニオの姿だった。すべてを察したジョバンナは、よろめく足どりのまま1人イタリアへ帰る。心にぽっかり穴が空いてしまった日々を送るジョバンナ。そんな時、突然アントニオが彼女の元を訪れる。心揺れ動くなか、彼女は運命の決断を下す...。