■歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
・鳴神上人(なるかみしょうにん)…中村獅童(萬屋)
・雲の絶間姫(くものたえまひめ)…市川亀治郎(澤瀉屋)
●亀治郎の絶間姫を観るのは2度目。前回は、大阪松竹座にて、段四郎の鳴神上人だった。もう6年も前になるんだなー。それが私の“初”鳴神で、それから菊之助や時蔵の絶間姫を見たが、知略と色気を以って上人を篭絡するというこの役は、亀治郎にぴったりの役だなーと改めて実感。獅童の鳴神上人は、正直どーだろか、と思っていたけど、意外とよかった。見た目が実川延若(写真でしか見たことないけど)に似てるなーと思った。

仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)五段目・六段目
・早野勘平(はやのかんぺい)…中村七之助(中村屋)
・女房おかる…中村勘太郎(中村屋)
・斧定九郎(おのさだくろう)…中村亀鶴(八幡屋)
・判人源六(はんにんげんろく)…中村源左衛門(中村屋)
・千崎弥五郎(せんざきやごろう)…市川亀治郎
・原郷右衛門(はらごうえもん)…市川男女蔵(滝野屋)
・一文字屋お才(いちもんじやおさい)…市川門之助(瀧乃屋)
●七之助の勘平に勘太郎のおかるでは、ちょっとバランスが悪いなぁ。おねえちゃんと弟って感じに見えてしまう。「待て女房」の後が苦しいねぇ。舞台の上で着替える場面があるため、普段着けている肉が今回ばかりは着けられない、とやら。亀鶴の定九郎はいまひとつ。悪いってわけじゃないけど、ゾクッとするような色気が感じられず残念。
注目していたのは、やはり、亀治郎の千崎弥五郎。立役は久しぶりなので、楽しみにしていたが、一番グッと来たのは、勘平を斬ろうとして郷右衛門に止められたあと、忌々しそうに座る瞬間に搾り出された捨て台詞「…馬鹿なやつめ!」。弥五郎の口惜しさが凝縮された一言だし、次の話への段落にもなっていて実に効果的だなーと思った。さらに、幕切れの勘平絶命の場面、拝みながらも、勘平が事切れるその瞬間まで見守っていたのが印象的。この二つの事から、勘平と弥五郎の友情というか絆の深さを感じずにはいられない。

亀たけのこ今日のお弁当:ゆしま扇『会席弁当』
ふたを開けたら、たけのこが亀の形に細工されてました。もったいなくて食べられなかったけど、最後に一口で行きました。