STUDIO-RELIEVE    #006『みにくいアヒルの子』




閉店前のショッピングセンターを歩いていると、世界滅亡前の最後の客になった気分だ。

何でも自由に選べるのはずなのに、穴の空いた心はまったくと言っていいほど満たされない。


嬉しくも悲しくもない心。



自分の苦しみは誰にもわかってもらえない。そんな独りよがりの気持ちを抱え、友人から遠ざかり、恋人になってくれた人からも遠ざかり、自らひとりぼっちになることを選んでいた。




俺は子供の頃、大人になれば淋しさやツラい気持ちなんて、みんな無くなると思っていた。

銀行に行けば自由にお金をおろせるし、映画館だってひとりで入れる。

だけど、さみしさやツラさは無くなるどころか、年齢を重ねるたびに、虚しさへとカタチを変えて成長を続けている。


あんたにだって他人を遠ざけ、ひとりで生きていくんだと決心したことがあったハズだ。痩せ我慢で胸を張ったりしてさ。

そのくせ心の底では、無条件で愛してもらったり、抱きしめてもらいたい、そんなスネた子供みたいな心。


昔だけじゃなく、
今だって変わらないって?


わかるよ、ブラザー&シスター。


俺たちの卵のかけらは、擦り減りはするが、
一生青い尻にくっついたままなのだ。