STUDIO-RELEIVE #003「焼け落ちた心」

俺が高校3年の秋を迎える頃、
近所の民家が放火によって全焼した。
犯人はどんなヤツだったと思う?
リストラされてヤケになったサラリーマン?
それとも嫉妬に狂ったストーカー女?
どっちもハズレ。
どこにでもいるフツーの女子高生だよ。
そして、火を放ったのは自分の家だ。
ニュースで見た時は驚いたけれど、黒焦げになった民家の前を通るたびに俺は、なぜ彼女はそんなことをしたのだろうと考えていた。
家族とは自分の命と同じくらい大切なものだというのに、それを家ごと燃やし尽くそうとするなんて、どう考えても追い詰められてるのは子供の方だ。
もしかすると火を放った彼女の心は、とっくに焼け落ちていて、黒焦げになっていたのかも知れない。
なぁ、子供思いのパパスとママスのみんな。
あんたもまだローンの残ってる家を燃やされた上に、全身に大ヤケドを負うなんて嫌だろう?
何でも言うことを聞く優等生が、
燃え尽きた柱の様に黒焦げになっていないか、
まだ未成熟な心が
焼け野原のようになっていないか、
目を凝らして見つめてやってくれ。
俺たちに必要なのは
心ある想像力と
見えない物を見ようとする馬鹿力だ。