今回は故障の話です、私がトライアスロンを始めてシンスプリントと内転筋痛を故障をした当事者として、故障後にどう乗り越えたか、故障に際してパフォーマンスを上げていく為に私が気づいた大切な取り組みについて共有します。

※2021年11月に掲載した記事に追記しました。

 

私はスポーツ医学やトレーニングに関する専門家ではありません、私自身に実際に起きた事例をもとに私が故障と向き合い取り組んだ事をお伝えしています。故障って嫌ですよねっ!私も他の方の記事を参考に故障を乗り越える事ができましたので、同じ悩みを持つ初心者の方や女性の方、アラフィー同世代の方のお役に立てれば幸いです。ただ、私の故障に対する見解や分析は私自身の実体験、つまり私という個体に起きたことでしかありませんので、参考程度にして頂き、「考え方」を参考にしてください。

 

トライアスロンで故障をしたと言ってもランによる故障になります、スイムとバイクでは今のところ大きな故障はありません。

故障はトレーニングや練習の機会を失うだけでなく、パフォーマンスの低下にも繋がります。また故障を予防する取り組みの中にパフォーマンスアップの大事な要素が織り込まれており、パフォーマンスアップに取り組む上でトレーニングと練習をしっかりたて分けて取り組んでいくことで問題を課題に変え解決策を見出し、効率よくパフォーマンスアップを続けていく秘訣になると学びました。

 

私のこれまでの故障の経緯

2020年3月 トライアスロンに挑戦し始めランニングをスタート

2020年6月 シンスプリント発症(半年以上悩む)

2021年7月 内転筋痛を発症

こんな感じです。

 

今回の内容

・故障はしない方が良いが、故障が大きな成長の機会

・なぜシンスプリントになったか?おそらく

・なぜ内転筋痛になったか?おそらく

・どうやってシンスプリントや内転筋痛を克服したか

1ヶ月後の効果・結果、フォームの変化

・故障を最小限にパフォーマンスアップするには(まとめ)

 

 

結論は、まず可動域を拡げる→身体能力を上げる→フォームはどんどん変化していく

 

2020年6月のシンスプリント発症について

ランニングを始めたばかりのは私は10kmを6:30kmでした、週5km〜10km程度を当時としては高い強度の6:00/kmを目安にいわゆるペース走を中心に走っていたところ初めは右脚、次第に左脚と両脚共にシンスプリントを発症。

特に左脚の痛みが強く普段の生活でも痛いと感じるほどでした。

数ヶ月後に大会を控えトレーニングを中断したくないと、トレーニングの間隔を空けながら騙し騙し2020年シーズンを終えました。オフシーズンに入り来シーズンに向けて足の故障と向き合わなければ先に進めないことを自覚して故障の原因と対策に乗り出しました。

2021年5月の股関節痛発症について

シンスプリントを克服し、更なるタイム短縮の課題として5:00/kmを目指し始めた頃に、ピッチ上げ、ストライドを伸ばそうと取り組んだことが内転筋痛の発症に繋がったと思います。具体的には小内転筋の付け根部分の痛みが出ました。

過剰なストレッチも故障の原因になったと考えています。

 

YouTubeを何本も観ながら自分がシンスプリントや内転筋痛になった原因と対策について学習した結果いつくかの原因と対策が見えてきました。

 

故障はしない方が良いが、故障はパフォーマンスアップの良薬

これまで運動してこなかった方がトライアスロンを始めて故障無く速くなっていくことは不可能ではありませんが、トライアスロンを初めて3シーズン目に入り思うことは故障が大きな成長のきっかけとなったという事です。

年齢的な回復の遅れによって故障したとは思っていません、むしろ運動と回復を素早く繰り返せる身体になっていなかったと捉えています。

故障するとそれまでのトレーニングや練習が出来なくなりますので精神的には凹みますが、故障するということは自分がしたい動きに対して問題があるということですので、大切なシグナルと言えます。このシグナルと向き合いながら故障を乗り越えようと身体やフォームなどについて学習し改善しようとすることで結果的に成長できたと実感しています。故障はパフォーマンスアップの良薬と捉える事が大切だと考えています。

 

 

なぜシンスプリントになったか?おそらく

私のシンスプリントは膝下から足首にかけての比較的膝下寄りの内側が痛くなりました。

・ウォーミングアップしないことによる足裏つまり土踏まずあたりの柔軟性不足とケア不足

・身体の軸よりかなり前方に着地し、ブレーキをかけながら走っていて脚に負担がかかっている

・腿裏(ハムストリングと内転筋を含む)と大臀筋筋力不足で蹴り出しが弱い

・前傾姿勢が取れず反り腰

・着地が怖く意識としてはフォワフット、実際にはフラットか踵着地になっている

簡単に分かり易く説明すると、知識不足から悪いフォームで無理に速く走ろうとして、さらにウォーミングアップとケアをサボっていたため故障したという事です。

 

2021年5月に整形外科を受診した際には疲労骨折して治った痕がレントゲンにしっかり残っていました。

幸いこれで済んで良かったですが、以降は痛い時はトレーニングを中断して他の部位を頑張れば良いと考えています。

 

なぜ内転筋痛になったか?おそらく

私の内転筋痛は右足の小内転筋の付け根部分が痛くなりました。

・股関節の柔軟性が低いにも関わらずピッチやストライドを伸ばそうとした

・肩甲骨の柔軟性が低いにも関わらずピッチやストライドを伸ばそうとした

・悪いフォームで90分のLSDを繰り返した

・着地が不安定で着地時の接地感が弱い

・地面の反発を利用したフォームが出来ていなかった

股関節や肩甲骨の柔軟性をなめていました、可動域が狭いにも関わらず大きく動かし続けたため負担がかかり故障した。

 

 

どうやってシンスプリントや内転筋痛を克服したか?

・問題を課題に変え、解決法に取り組んだ結果、ランニングフォームが改善したため発症しなくなった可能性が高い

 結果的にはランニングフォームの改善によって克服しましたが、ランニングフォームは改善したいと思っても、すぐに改善できるものではありませんでした。そもそも今、自分がなぜそのフォームで走っているか、理想のフォームで走れないか考えると、あらゆる能力が追いついていないからそう走ざるを得ないという事です。

 

初めに故障したシンスプリントには半年以上悩みましたが、トライアスロンを続けたい一心で故障と向き合い、様々な本やYouTubeの動画などで学習したことでスポーツ医学や栄養学など今後役立つたくさんの知識を得る事ができました。

最後のまとめに書いたことはとても重要な事ですので、これからトレーニングを始められる方や故障されてる方の参考になればと思います。

 

問題

①シンスプリントを発症

 身体能力が低いのにフォアフット走法に憧れ実践しようとしていた、走る回数が少ない上に高い強度のトレーニングを取り入れた

 

②小内転筋痛を発症

 タイムを上げようとピッチとストライドを無理に引き上げようとした結果、負担が掛かったり着地が不安定になった

 

課題

①ウォーミングアップとケア

 正直これを舐めていました、今考えるとどれだけ大事か判ります。時間がない中でトレーニングや練習するので飛ばしがちですが、今ではトレーニングや練習時間を割いてでも、どんなに疲れていても必ずやります。

 

②ランニングフォームに関する知識不足

 フォームに捉われない、身体能力と身体の動かし方の向上に合わせて結果としてフォーム改善に取り組む

 自分の身体的特徴や能力に合ったフォームを作ることをゴールにする

 

③より良いランニングフォームを再現するための身体能力不足

 トレーニングとしてランニングに重要な筋力強化、実走の時間がなくても筋トレを取り入れることで強化

 

④股関節と肩甲骨の可動域不足とストレッチ不足

 安定した着地、スムーズな脚の入れ替え、腕振り、姿勢維持などあらゆる動きに対して余裕のある可動域をつくる

 

 

解決法

解決法について考える時に大切にしたことは、競技に使う身体を知り、大事にすること。ウォーミングアップとケアをサボらなず、この時間を大切に身体と対話するように只必要なことだけやるようにしました。おそらくこの効果が一番大きかったと考えています。次に股関節と肩甲骨の可動域を拡げてからランニングに必要な動きに合わせてトレーニングしていくことです。これまでも果敢にトレーニングしていましたが、狭い可動域の中でトレーニングしてきた事が無駄に思えてならないからです。また、筋トレには懐疑的に考えていましたが、そもそもトレーニング時間や頻度が少ないのだかから、月間走行距離70km〜100kmと少ない分を筋トレで筋力強化することにしました。

トライアスロンはスイムとバイクの後なので、どちらかというとパワーで走るところがありますので、ランニングフォームに関しては短距離のフォームからアプローチしていくことにしました。

①足裏の土踏まず付近を念入りにほぐす、2:2:2の法則で脚を冷やす

②理想とされるランニングフォームの考えを手放し、身体能力と身体の動かし方の強化に集中する

③可動域を拡げるトレッチをコツコツと続ける、股関節、肩甲骨、足裏、足指、手指、体幹部分など

④拡がった可動域に対して筋力強化に取り組む、筋トレ、LSD走、インターバル走、坂道ダッシュ

⑤フォームは短距離走の身体の動かし方から10km走へと自分らしくアプローチしていく

 

具体的に

・足裏をローラー付き青竹踏み器具を使って入念にほぐす、5分〜10分くらいやります。安い器具なので3つ買って、自宅、車の中、会社の机の下など至る所に置いてます。シンスプリントは土踏まずが下がっていたり硬くなっていることで脛の筋膜を引っ張ってしまい発症すると言われていますので、これでかなり解決しました。

一例を挙げると、先日10kmの自己ベストを記録しましたが、普通なら最も酷使しているので翌日シンスプリントの痛みを覚悟していましたが、全く痛みませんでした。(この後の冷やす対策と同時にやったことも重要)

・走り終わったらできるだけ早く酷使した部分を20分くらい冷やす、ジムによったなら下半身だけ水風呂へ、自宅ならバケツに水を入れて両脚を一緒に冷やしながら入浴、アイシングなど。コレをやるかやらないかで昼と夜ほど違います、理由は脚を酷使すると炎症を起こすわけですが、炎症部分に分泌される液体(何か知りませんが)や熱が患部の周囲まで拡がり、広範囲に痛みが拡がって治りにくくなるのを防止する効果があります。

・初期のトレーニングや練習後1日または2日休むか部位を変える、痛みが酷い時は3日〜4日無理せず休む、脚ができるまでは丁寧に数日休む時でもHIITなどで心拍は上げておく

・10kmのペース走の数を減らし、5km〜7kmの距離で400m〜1kmインターバル走に変更

・ランニングルートに坂道を入れ、坂道だけダッシュ(2本)する

・脚の入れ替えを速く、腕を振り、しっかり着地する50Mダッシュを週1でやる

・90分以上のLSDを2週間に1回

・ジムのマシンを使った筋トレと自重を使った筋トレを週1でやる

・食事とサプリを活用する、小麦を少なくして卵などタンパク質を増やす、クエン酸、プロテイン、BCAAを摂取

・毎日できるだけ可動域を拡げるストレッチをやる

 

1ヶ月後の効果・結果、フォームの変化

解決策に取り組み始めてシンスプリントも小内転筋も1ヶ月くらいで効果が出ました、以降シンスプリントも内転筋痛も発症していません。

 

・股関節の可動域が拡がった効果は驚くほどで、着地がしっかり安定し踵から入る意識で強い着地でも怖くなくなりました。

・自信を持って地面の反発をもらおうという意識で強い着地ができること、踵から足裏へとスムーズに荷重移動しながら地面の反発をもらえるようになった。

・脚の入れ替えのスピードが上がり余裕が生まれ、スムーズで力を抜いて脚を回せるようになった

・腕振りの振り幅が拡がり、肩甲骨を使った腕振りができるようになった事で腕と脚との連動ができる

・一般道5kmのペース走が25:40/5km→25:05/5kmへ、10kmでは56:40→52:40へ大幅更新

(2年前の全力自己ベストはトラックで24:30)

 

以前はフォアフットをイメージしながら結果的に踵着地になっていたと思いますが、現在では踵着地をイメージしながら全体で着地できているようです。ここから更に強度を上げていけば5:00/km切りも可能になると考えています。

 

故障を最小限にパフォーマンスアップするには(まとめ)

高校を卒業し約30年間運動をしてこなかった私がトライアスロン初心者として1年半トレーニングに取り組んできた中で故障を最小限にすることはトレーニングを続けていく上でも大切なことだと感じています。

しかしながらパフォーマンスを上げていくためには、より高強度でより高頻度でトレーニングしていく必要があり、故障は避けて通れないとも考えています。だからこそウォーミングアップとケアが大事と言うことです。故障することで故障の原因を探り対策することで、他の故障の予防にもとながると考えています。

パフォーマンスアップに向けて強度や頻度を上げていく上で、私が大切だと思ったことをまとめてみました。

 

・理想の動きから現在の自分の身体的能力と特徴のギャップを知り、問題を課題に変える課題設定能力を磨く

・なによりまず股関節と肩甲骨の可動域を拡げることが超重要、またストレッチによって柔軟性を高め効果を最大限に

・トレーニング前とトレーニング後のケア、必要な栄養を摂り休養を大事にする、環境適応能力を活かす

 

今回は故障についてでした、もっと細かくお伝えしたいこともありますが、この記事が正解をお伝えしている訳ではありません。個々によって症状が違ったりしますので、この記事をきっかけに「やり方」より「考え方」学習していただくと良いと思います。嫌な故障も楽しみながら学習し乗り越えることで必ずパフォーマンスアップに繋がっていきますので、皆さんがこれからも長くトライアスロンを楽しめますように。