Canyon Speedmax Disc 2021 XS 650B インプレ 室内ローラー〜実走
今回はライドインプレッションとしてハイブリッドローラーでのポジションチェックと
近場コースの実走での感想を共有します。
Canyon Speedmax Disc 2021年モデルのインプレッションということですが、XSサイズ650Bタイヤサイズでのインプレッションとなってしまいますのであらかじめご了承ください。
ハイブリッドローラー グロータックFLEX F3.2
以前はダイレクトドライブのスマートトレーナーを使用していましたが、バイクの買い替えを機にハイブリッドローラーにしました、ハイブリッドローラーはグロータックFLEX F3.2です。(こちらのインプレは多数出ています、参考にさせていただきました)
私は室内トレーニングはあまり好きでないタチなのと、SpeedMaxはトライアスロン専用バイクとしてUCIの規定からも外れています。特にシートステーなどは厚みが1センチ以下の部分があり、ダイレクトドライブでは破損の恐れがあるのではないかと危惧しました。それとせっかく乗るならより実走感を求めて思い切ってハイブリッドローラーを選択しました。ハイブリッドローラーは後輪が完全に固定されていないので実走感が高く、体幹を使ったペダリングや、ポジションチェック、整備などには向いているのかなと思います。
ローラーでの走行感はロードバイクとの比較ですが重厚な乗り心地というか、BB周りがしっかりしているのでガッシリ、ブレにくい感じです。また、後輪がフリーなためペダリングの歪みが顕著に出ました。初めてのトライアスロンバイクで、乗りにくいということはありませんが、ポジションが合っていないと直ぐに違和感を感じ前傾を取り続けることがしんどくなってしまいます。
実走でのテスト走行インプレ
普段なら近場の堤防コースまで車で行くのですが、トライアスロンバイクでの公道の走行感覚を知りたいと思い自走で自宅から出発、テスト走行なので追い込まずに、公道、平坦(信号無し)、追い風、、向かい風などを試してみました。
公道走行
公道走行時はベースバーがメインというか、ハンドル操作及びブレーキ操作について突差の対応ができないため殆どエクステンションバーは握りませんでした。ここでは40mm跳ね上がったベースバーの恩恵が受けられました。ハンドル位置が高いことで、僅かながらロードバイクに近くどちらかというとシクロクロスバイクのポジションが取れますし、ベースバーが僅かにたわむことで路面からの振動を吸収してくれるため走りにくさは感じませんでした。頭の位置が高く前を見ながら、深い前傾をとらなくて済むのでとても楽です。フラットなベースバーでしたら少し前傾気味で下ハンポジションぽくなるのかなと思います。
STIレバーではない難点を挙げるとすると、STIレバーのようにブラケットが上に突き出していないので、大きな振動の際にグリップを失い落車しないか心配で、ちゃんと握っていないと怖い感じがします。もう一つは、トライアスロンバイクで公道を走行している人があまり居ないので、いいのかな?って思っちゃいます。ちゃんとベルと前後にライトを点けているので問題ないかと思いますが‥
信号待ちでのストップアンドゴーはとてもスムーズで、出だしなどロードバイクと変わりない感じです。総重量が9kg弱とトライアスロンバイクとしては軽量であるためロードバイクほどの軽さではありませんが重いと感じることはありません。
プラダーには700ccの水とダウンチューブとシートチューブにエアロボトルと工具ケースをダブルで装着し、トップチューブの弁当箱にはアミノサプリとプロテインバーを入れました、それでも重心が低いのでバイクの操作性に不都合は感じませんでした。
大型トラックなどに追い越された際の急な横風の影響はどうなんだろういう心配はありました、なにせ横から見ると重厚な感じでも、前から見るとペラッペラのフレームに前後50mmのホイールです。影響ないわけないよなと思っていますが、ブラダーやツールボックスが低い位置にありて低重心なため、Tarmacほど軽くないのですが安定性は高いのではないかと思います。
強い横風に負けない直進安定性
実際には30km/h以下だと強い横風に対して不安定になりますが、過信は良くありませんが30km/hを超えていると直進安定性が勝り強い横風にもびくともしないオンザレールの感じです。
曲がる際ははっきりと曲がる意思をバイクに伝えてあげれば軽やかに綺麗に曲がれますが、曖昧だと直進安定性が勝ります。ここまで空力による直進安定性が凄いのは驚きでした。
平坦片道10kmコース 初めてのトライアスロンバイク
ここは片道約10kmの信号無し区間で、タイムトライアルにはもってこいのコースです、人によっては単調で風も強いため嫌う方もいるようですが、私は車を気にせず四季の変化を感じながら走れるこのコースが好きです。
このコースは南北に流れる川沿いのコースで、上りと下りで風向きが変わるためとても練習向き、今回の下りは若干の追い風でしたので、折り返しの上りは向かい風になります。日によって風向きと風速が大きく異なるため、走行タイムはあまり参考になりませんが一応タイムも計測します。
加速感は?
まずは加速感をテストしてみました加速はダンシング無しでもスムーズ、Tarmacほどの軽い加速感はありませんが、この加速性能なら折り返しのコーナーなどストレッチを兼ねた軽いダンシング程度で脚を使わずに済みます、踏み始めてあっという間に30km/hを超えました、これは間違いなく車体のエアロ効果が効いているのだと思います。
そして650Bのタイヤサイズはダンシングにはコツが要ります、慣れの問題ですが普段よりギアを1段重くする必要があります、タイヤ周長10センチの差がここで出ました。これは解決できる課題なので問題ではありません、20km/hを超えた速度では650Bの軽さが加速の軽さに大きく貢献しているのだろうと思われます。
BB周りはとてもガッチリした感じです、また重心が低いせいかバイクは振りやすいです、正確にはガッチリ受け止めてくれる感じです。
巡航維持と直進安定性は?
そして加速から巡航へ移行するにあたりからエクステンションバーに持ち換えます。すると空気抵抗が大幅に削減されるためか、さらに速度が上がっていくのが判ります。この速度感はこれまでロードバイクでは体験したことのない感じで、例えていうなら軽く押されているような感覚です。スルスルと30km/hから37km/hへと速度が伸びました、ロードバイクでは味わえない速度感はやっぱりトライアスロン専用バイクは違うなと思わせてくれるものでした。
そして巡航速度維持性能は驚くほどで、それほど負荷をかけなくとも速度維持が可能でした、これはミドルやロングでは効果が期待できる性能であると言えます。加速感や巡航時の速度維持の性能の高さと合わせて感じられたのは直進安定性です、これはもう異次元と言って良いほどの直進安定性で曲がることを許してくれないレベルです。最大80mm幅のフロントフォーク、95mm近いダウンチューブ、シートチューブにシートステーどれも薄く、整流効果が高いためハンドルを切るのに抵抗を感じるほど、前乗りのTTポジションで前輪荷重で不安定かと思いきや、驚くほで安定しているのでペダリングに集中することができます。
これはトライアスロンバイクを手にしたのだと実感できる場面で、距離が伸びればさらに効果が期待できると思います。
振動吸収性も高くガタガタすることはありません、タイヤのサイズや空気圧とも関係してくると思いますが、28Cのタイヤに6.5barの空気圧で走行していると多少路面が荒れていても神経を使うことはありません。
脚を残し気味で過去の記録を更新!
向かい風の影響は?650Bは有利?
10kmの折り返し地点でUターンして、こんどは同じコースを上り始めます、思った通りの向かい風で風速は4m〜5mくらいかなと思いますが、ここでもトライアスロンバイクの恩恵を感じました、思った以上に向かい風を感じません、風の中を切り裂くというより、ほんとに向かい風なの?と思うほどで、風に押し戻される感覚は小さく、向かい風なので当然速度は大幅にダウンするものと思われましたが、サイコンでは33km/hとなかなかの巡航速度で走行できています。
試しにベースバーに持ち替えるとあっという間に26km/hに、やっぱり向かい風強いんだと改めてエアロポジションの効果を実感しました。
XSサイズなので650Bのタイヤサイズから全高が低い上に深い前傾ポジションによってかなりの空気抵抗を抑えることを実現できているのかなと思いながら、脚を使いすぎないように抑え気味で走行しても30km/hを下回ることはありませんでした、また脚を止めた際の空走時における速度維持も優れていると感じでした、トライアスロンバイク、そして650B恐るべしといった感じです。
ブラダーからの給水もストレスなく補給が可能で走行に集中できます、これまではどうしても給水時に速度が低下し、戻すのに脚を使っていましたが、この機能はきっとレースでは重宝するだろうと思います。
また、信号待ちでトップチューブを跨ぎ、両足べったりでもトップチューブは干渉しませんでした(地面からトップチューブまで765mm)
ポジションがシビアなトライアスロンバイク
走行して感じたのがポジションのシビアさです、ローラーである程度出してはいたものの実走しながら距離が伸びてくると色々なところに違和感を感じはじめます、疲労が溜まってくると尚更です。最適なポジションについて、これは相当掛かるなという印象ですし、身体ができてくるとどんどん変化していくんだろうなという感じです。
ロードバイクと違い固定されたようなポジションであるため最適なポジションというかポジションに身体を合わせていく必要があるためプロの指導が必須のような気がしました。
また、ベースバーの高さや長さななども変えられますが、あらかじめベースバーポジションの際にどのようなポジションが取りたいかはっきりしているとオプション選びの際に迷う項はないと思います。
エクステンションバーを握っていない場合にとりたいポジションとして
下ハンポジションなら65mmステム&フラットなベースバー
普通のポジションなら65mmステム&40mmアップのベースバー
休みたいポジションなら45mmステム&40mmアップのベースバー
こんな感じだと思います。現在は休みたいポジションで良いですが、もっと攻めたくなっったら別途購入できるかCanyon Bicycleに確認してみようと思います。
650Bのタイヤサイズ
購入前はXSサイズによってタイヤサイズが700Cから650Bへと小さくなり、10センチ程度タイヤ周長が短くなることによるタイムロスについて、机上では検証し大して変わらないだろうと思いつつ、走行してみないとわからないという不安がありましたが、その不安は完璧に払拭されました。もちろん700Cサイズを所有していないので比較はできませんが、往復20kmを2往復40kmのタイムと走行感覚から650Bによるサイズロスを感じることは一切ありません、650Bサイズについてはこれで良かったです。私のように小柄ならシート高さの制限から選択の余地がありませんが、これなら170センチの方でもXSを選択した方がいいんじゃないの?って感じです。つまり、プロがそうであるように180センチの選手がSサイズを選択するような感じになるかと‥まあ身長より股下サイズや胴の長さ、手足の長さからキチンとサイズ選びをすることが後戻りできないフレームサイズにおいては本当に大切なことだと実感しています。
よくよく考えれば、タイヤサイズのほかクランク長も関係してくる筈です、乗ってみて改めて自分の体に合ったフレームサイズ、ホイールサイズ、クランク長が大事なんだと理解しました。
まとめと感想
購入前からいろいろと検証し、リスクをとって第一に最適なポジションがとれることを優先しCanyon SpeedMaxを選択して良かった、それもXSサイズ 650Bで良かったということです。女性の方にもオススメできますが、メンテナンスの課題があるかと思います。詳しいことはこれまで述べてきましたが、今回のテスト走行によってCanyon SpeedMaxの所有満足度がMaxになりました、リアルな大会は初夏まで待たなくてはなりませんが、それまで深い前傾ポジションでのペダリングを習得したいと思います。トライアスロンバイクは高い買い物です、デザインや好みよりポジションを優先してバイク選びをした方が良いとの記事を何度か目にしましたが、今ではその意味がよく理解できます、今後さらにそのことを実感するのだろうと感じています。
私のような身長でもちゃんと乗れるトライアスロンバイクがあることを嬉しく思う次第です。
追記 80kmの知多イチ後の感想
先日、仲間と初めての知多イチに参加してきました、TTバイクという不安はありましたが軽さのおかげでしょう登りも下りも全く不安無しで、TTバイクでもポタリング充分できます。
乗り出して思ったこと
乗り出したから思うことですが、オリンピックディスタンスまででしたら本当にロードバイクで充分ですし、エアロポジションに限界はありますが、ハイトの高いディープホイールを履いてのロードバイクにの方が色々なポジションで乗れるので練習していても愉しいと思います。特に若い方々であればタイムにおいてもそれほど大きな差にはならないと思います。
トライアスロンバイクはロードバイクとは全く別の乗り物という感じです、ポタリングはできますがもちろん不向き、TTポジションで景色は見えません、山も練習以外では登ろうと思いません、ベースバーとエクステンションバーの2箇所しか持てませんので購入するならガチでレースに出るか、ミドルを視野に入れてからでないと後悔すると思いました。
私の場合はビギナーでアラフィフですし、レース志向でポタリングはしないし、乗るときは常にトレーニングという感じです。シクロにも参戦し、シクロクロスバイクとの2台持ちですので気分転換に山に登るときは乗り換えます。トライアスロンは2022年からミドルに参戦するつもりですので、今からポジションに慣れておく必要があると思い購入しましたが、トライアスロンバイクの購入に迷っておられる方の参考になれば幸いです。
・圧倒的直進安定性
・疲労を抑えるポジションセッティング
・圧倒的空気抵抗の削減(バイク&ライダー)
・ブラーダーや弁当箱が使える
このことから高速巡航維持性能と快適性、疲労軽減は間違いなく得られます。
また気づいたことがあれば共有いたします。
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