specialized tarmac sl6 expert disc 2020の初乗りインプレです。

 
大変な強風の中を平地から激坂ヒルクライムと50キロ程度走行して来ました。
ビギナーなりに気付いた感想をインプレとしてお伝えします。
チェーンリングは52-36から50-34に交換しています。
 
いつもの木曽三川公園P から三重県の激坂で有名な多度山山頂を目指して片道25キロをスタートしました。
 
走り出しから好感触、軽快!
乗り始めの感触は、軽くてカッチリって感じで、つまり漕ぎ出しが軽く、私の脚力ではパリッとした硬さが好感触でした。Roval C38ホイールと26Cのタイヤとの相性も良さそうで、硬いのに不快さはなく安定感があります。
 
おおっ軽快!この感じイイ!と独り言が出てしまうほどの好感触、良いバイクってこうなんだと感心しながら快調なスタート。
 
まずは木曽川の橋を渡り、木曽川と長良川の背割り堤を下って行くのですが、かなりの強風で推定風速7M〜8Mはありました、ここで存在感を感じたのはRoval C38のホイールでした。
強風にも関わらず、身体は煽られてもホイールは煽られること無く、ワイドリムとはこう言うことかと初めてのエアロ効果に嬉しくなりました。
 
バラついたペダリングを許さない高いBB剛性はレースバイク
多度山への行きは背割り堤を下りますが、この時期の風は北西から北北西のため追い風、強風過ぎてスルスルと速度が上がり気が付けば40キロ台へ、速度はさておきBB周りの硬さなのかペダリングしやすいと言うか回し易い感じ、この硬いBB周りは、ビギナーでも綺麗なペダリングしか許さないぞと訴えてくるような遊びの少ないフレームを感じさせます。バラついたペダリング というか、少し気を抜いてペダリングが乱れるとBB付近に違和感を感じます。
このあたりがレースバイクたる所以でしょうか?これは前車のFELT FR3が柔らかめのフレームだったために感じる感覚なのかもしれません。
 
ビギナーでもコミュニケーションのとれるフレーム
返しの背割り堤の上りは、斜めに車体を傾けながら走るほど強烈な斜め向い風でした。
向かい風でも姿勢を低く保ちダンシングすると20キロ台後半が出せるのは、フレームのエアロ効果とホイールのエアロ効果が相当効いてるのが判ります。そしてダンシングし易いと言うか、ダンシングしたくなるような踏みどころの判り易いフレームです。
普段のシッティングではココで踏んで、ダンシングではココまで踏んで、後ろ乗りならこう回してと、色々なペダリングをしても綺麗に回せばフレームが応えてくれる感じがします。
このバイクの進ませ方を教えてあげるよと言ってくれてるような反応です。
ビギナーの私でもフレームとコミュニケーションが取れ、スペシャライズドのバイク造りがそうなのかわかりませんが、
Tarmacっていろんな走り方を許容してくれるバイクなんだと感じました。
向い風や巡航でのエアロ効果の高さはエアロボトルを2個付けている効果もあったかも知れません。
 
ダイレクト感がその気にさせてくれるフレームとホイール
強風の堤防区間を終え山へ入って行くと風はおさまり登りに集中できる環境へ、多度山は山頂までの距離は3キロ程度と短いですが、斜度が18度や20度の激坂区間が次々と襲ってくるマニア向けの山です。
入り口から斜度18度の激坂の洗礼を受けます。これまでは全体の20%くらいダンシングしないと登れなかったのが、TARMACでは、ほとんどの区間をシッティングで行けてしまいました。
 
激坂に差し掛かっても回し易く、回した分だけ進んでくれます。ただ綺麗に回す事だけに集中すれば後は勝手に進んでくれるような感じです。激坂ですから勝手に進む訳ないんですが、それくらい反応というかダイレクト感があります。
グイッグイッと言う感じで進むのではなく、クイックイッと言う感じで進むので激坂ヒルクライムが苦痛でなく楽しくなりました。
ペダリングがダイレクトにホイールを通して路面に伝わるり進む感覚はヤル気にさせてくれます。
これでタイム出なかったらあなたの力不足ですよってバイクに言われてるようです。
タイムもいきなり自己ベストで30秒近く短縮、そして、短縮したタイムより速く登り切ったような、アレっもう山頂着いた?って感じでした。
 
下りでRoval C38の本領発揮
多度山の下りは激坂ゆえ油断したり調子に乗って速度を出すと後悔する事になりかねません、折り返しのカーブが多く、止まれずに落車する方も居るようです。
ここではディスクブレーキの出番で、フロント160mmのローターが握力が弱くてもシッカリと速度を抑えてくれます。
しかしもっと驚いたのは振動吸収性の高さです、多度山は路面状況が最悪です、有り得ないくらいガタガタの路面は速度の出ない登りでは気にならないですが、速度の出る下りでは大変です。
これまでのバイクではシッカリハンドルを握って肘を使ってガタガタと言うかガツガツくる振動を抑えながら下っていましたが、TARMACはとてもマイルドな感じで、これは凄いわと思わずニヤけるほど下りやすかったです。
これまでのガタガタ、ガツガツから遠くからコツコツ響いてくる感じで、フロントフォークと前後のRoval C38ホイールの振動吸収性が優秀なんだと思います。
とにかく下りが気持ちいいです、調子に乗って速度を上げ過ぎないようしないとディスクブレーキだからと言って停止距離が短い訳ではないので自制が必要です。
こんなところでTARMACの良さを実感するとは驚きでした。
 
異端児ではなくすこぶる優等生
今回は50キロそこそこでしたが、充分にTarmac sl6 expert discの良さを実感でき、不満な所は一つも無くTarmac愛が深まりました。
私はこれまで沢山のバイクに乗ったり試乗したりした経験は少ないビギナーです。
Tarmac sl6 expert discは高額ですがスペックが高く、高性能なパーツ盛り沢山でお買い得感もあり、このバイクは文句無くイイです買って後悔は無いでしょう。
VENGEは優等生でTARMACは異端児的なバイクと思っていましたが、それは間違いでTARMACこそとんでもなく優等生なバイクだと認識を改めました。

ただし調子に乗って向い風の中を回すダンシングでガンガン攻めたせいか、50キロ程度のライドにも関わらず疲労感や筋肉痛はそこそこ出ました。ダイレクト感がその気にさせてくれる分、身体には優しくないかも知れません。
私の場合、200kmを超えるようなロングライドやポンタリングはほとんどしないこともあり、短距離でも楽しいTARMACを選択して正解でした。
今回は暴風と激坂を繰り返す過酷なライドでしたが、そのぶんバイクの良さを知る事ができました。
なるほどスペシャライズドのバイクが人気があって愛される理由が少し理解できたかも知れません。
 
風の弱い日と本命である岐阜県二ノ瀬峠の冬季通行止め解除が待ち遠しいです。
また1,000キロ乗ったところで、次回はパワーサドルやハンドリング、加速や巡航などもインプレしたいと思います。
 
余談ですが、写真に写ってるGoPro、この取付方は悪い例です。
段差の衝撃でアームの付け根が折れてGoProが吹っ飛んで行きました。
撮影した動画もブレが酷く見れたもんじゃなかったです。