神奈川某所の三浦半島の端っこでリモートワークをしていた私。

年度末という時節柄、激務続きで定時退勤がほとんどないのですが…。

今日は堂々と仕事の共有スケジュールに「残業しません❣️」宣言を投入し、定時退勤で訪れた先は…。

 

 

お久しぶりのサントリーホールです🎹

 

辻井伸行さんのソロコンサート♪

身内の代理で前置きなく参加してみたら…。

 

 

 

 

プログラムが神でした😍

 

 

2階席、下手寄りのお手元丸見えな良席でした🎹

 

辻井伸行さん、「展覧会の絵」はCD持っていますし、サブスクでもよく聴きます。

何よりも2009年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した当時のドキュメンタリー番組はヘビロテしていましたし、作曲家として参加された映画「神様のカルテ」や「羊と鋼の森」も楽譜を持っているくらいに大好きです。

 

なので、その音楽性についても「知った」ような気になっていました。

 

が、「生」で聴く彼の音楽は意外なほど骨太で…。「テンペスト」の一音目から持っていかれました❣️

耳慣れたベートーベンだからこそ、圧倒的な色彩の強さとか、響きの深さとかが否応なしに伝わってくる…。

 

2曲目のリスト「巡礼の年 第2年への追加〈ヴェネツィアとナポリ〉」は手数がすごく多いのに、一音一音の輪郭がくっきりしていて、ただただ驚かされました。

 

インターバルを挟んでのラヴェルはときとしてびっくりするくらい大胆で…。

「水の戯れ」なんて、静寂を感じたかと思えば、突如現れた激しい水飛沫が襲ってくるんですよ。

辻井さんの指先から紡ぎ出される水の粒子は、どこまでも透明な美しさを放ちながら、変幻自在に姿を変えていきます。

水面に反射する光の煌めきにうっとりしていたら、次の瞬間には水底まで連れ去られてしまったかのような躍動感に溢れているんです。

ああ、辻井さんはこんな風に水と戯れているんだ…って、(心の中で)びしょびしょになりながら感じ入ってしまいました。

 

プログラムを見たときに、こちらの勝手な先入観で「これって、『あり』なの?」と身構えてしまったカプースチンは…。

Jazzyなノリも軽やかに、ときに鋭利な刃物のような俊敏さを伴って、いやもう、これでもかというくらいの超絶技巧も力強く楽しげに、ビートをガンガンに響かせながらグルーヴ感満載に弾いていらっしゃいました♬

 

音色の豊かさはもちろん、俯瞰した穏やかさや優しさが持ち味だとばかり思っていた彼のイメージが…好い意味でどんどん覆されて、アンコールのバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」である確信が生まれました。

 

作曲家に寄り添っていくタイプが多いクラシック音楽の世界にあって、辻井伸行さんのピアノは「これが僕のバッハです」って明確に主張しているんです。

それはもはや誰もが知っているバロック様式のバッハではなくて、辻井伸行さんだからこそ、繰り広げられるオンリーワンの世界。

 

彼の音楽にはいつも、どんなときにも、目の前にあるピアノという楽器に対する最大限の敬意があります。

一音一音の音の粒子がまるで「生きて」いるかのようにくっきりとした表情を見せながら、紡ぎ出されています。

 

それは決して、パイプオルガンやチェンバロ、チェンバーコードといった古来の鍵盤楽器で演奏されてきた音色ではありません。

現代の、今、目の前にあるグランドピアノという楽器だからこそ可能な、強弱の振れ幅豊かで繊細かつ大胆な響きの至高の音楽…。

 

ただただその世界に魅了された聴衆は惜しみない賛辞を贈り、鳴り止まない拍手に呼応するようにアンコールはなんと4回にも及びました。

 

ラストを飾ったリストの「ラ・カンパネラ」では、冒頭で気づいた聴衆が拍手で喜びを露わにするという…。

サントリーホールですよ。お客様だって、クラシックのマナーに精通しているはずです。

 

それにも関わらず、思いの丈をそんな風に伝えたくなってしまった聴衆に、辻井さんも嬉しそうで…。

スタンディングオベーションの嵐の中で、辻井伸行さんご自身がピアノの蓋をそうっと閉めるというチャーミングな終幕でした。

 

いやぁ…辻井伸行さん、生音聴くのは初めてでしたし、比べようがないのですが、圧倒的な彼の世界に魅了された聴衆との空気感といい、「神回」と呼んで差し支えのないコンサートだったのではないでしょうか。

 

ピアノ、弾きたくなりました♬

まだ、電車の中なのですが、帰ったらヘッドホンコースですかね?

辻井伸行さん、素晴らしい音楽の世界をありがとうございました💖

 

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