There will never be another you
ジャズ・スタンダードの定番ナンバーです。
有名どころではチェット・ベイカー(tp/vo)が歌っていたり、ソニー・ロリンズ(ts)やデクスター・ゴードン(ts)が吹いていたり、バド・パウエル(p)やミシェル・ペトルチアーニ(p)が弾いていたりするメロディックでハーモニックな名曲です。
後世には曲の美しさの余り、ハーモニーはそのままでメロディだけを変えて作られている曲もたくさん存在します。
そして、
「あなた無しには」
という何とも泣かせる邦題が付けられています。
愛する人の前でドラマティックな告白をするシーンが目に浮かんできそうです。
ね、皆さん。
特にこの曲をご存知の方には共感して頂けると思います。
うっとり優しい旋律に
小気味良いテンポ感
耳ざわりのいい長調
実はこれ、別れの曲らしいです…。
ご存知でした?
てっきりラブソングだとばかり思い込んでいましたが、先日初めて歌詞が載っているスコアを見て驚きました。
タイトルや曲の雰囲気に完全に騙されていました。
スコアには
「これから幾度と無く人を愛するとしても、それはあなたではない…」
という意味合いの歌詞が付いていました。
ショーーック!!
今まで指折り数え切れんほど挙式の仕事で演奏しましたがな、もう。
「過ぎたるは及ばざるが如し」
嘘です。
猛烈に反省しております。
ああ神よ、罪深き私をどうぞお許し下さい。
・・・。
さて、許しが出たところで改めて曲のメロディに注目してみると、
♪~ド・レ・♭ミ・ファ・ソ・♭シ~♪
見事にCマイナー!
何てこったい…。
どうして今まで気が付かなかったんだろう。
この曲、間違いなく始めはCマイナーで作られ始めてます。
或いは少なくとも、それを意識して作られてます。
その後のリハモで代理メジャー(専門的にはモーダルインターチェンジとかぬかします)に変えられた感じですね、きっと。
こんな所に作曲者の意図が見え隠れ。
え~、分かりやすく言うと、
素晴らしいんです
John Scofield氏(g)の曲で、この曲のハーモニーだけを取り出して別のメロディを載せた曲に
Not You Again
という私の大好きな曲があります。
これもよく考えるとあれですね、
There will never be another you
をシンプルに言い換えただけなんですね。
非常にシンプルな、中一で習うような単語3つで言い換えてしまう彼のセンスにもまた驚嘆。
は~。
深淵なるジャズ・スタンダードの世界…。