今回は、一次不等式についてやっていきます。
実数どうしの大小関係は >,≧,=,≦,< の5つの記号を使って表すことができます。この記号を使って大小関係を表した式のうち、=以外の4つを使ったもののことを不等式といいます。
例題
次の数の大小関係を、等号及び不等号を用いて表せ
(1) 3と5
(2) 2と√3
(3) 2と3と√5-1
例題の解答
(1) 3<5
(2) 2>√3
(3) √5-1<2<3
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2<3>√5-1とすると、2と√5-1の
大小関係が分からなくなってしまいますね
不等式を使って、ある文字がとりうる値の範囲を表すことがあります。
今回のポイント
不等式の演算
𝒂<𝒃、𝒅>0、𝒆<0ならば
(1)𝒂+𝒄<𝒃+𝒄, 𝒂-𝒄<𝒃-𝒄
(2)𝒂𝒅<𝒃𝒅, 𝒂/𝒅 < 𝒃/𝒅
(3)𝒂𝒆>𝒃𝒆, 𝒂/𝒆 > 𝒃/𝒆
加法や減法ではもとの数と大小関係が一致、乗法や除法では負の数を掛けたり負の数で割ったりすると不等式の向きが逆転します。
また、(1)より、不等式の演算では等式と同じように移項をすることができます。
演習問題
以下の不等式を満たす𝒙の範囲を求めよ
(1) (¹/₂)𝒙+1<3 ★
(2) 3𝒙-9>12 ★
(3) 𝒂𝒙-2≧5 ★★
(4) 𝒙²>4 ★★
(5) 𝒂𝒙²-2𝒂𝒙+𝒂≦3 ★★
演習問題の解答
(1) (¹/₂)𝒙+1<3
𝒙+2<6
𝒙<4
(2) 3𝒙-9>12
3𝒙>21
𝒙>7
(3) 𝒂𝒙-2≧5
𝒂𝒙≧7
𝒂=0のとき、0≧7となり不適
𝒂>0のとき、𝒙≧⁷/𝒂
𝒂<0のとき、𝒙≦⁷/𝒂
(4) 𝒙²>4
𝒙<-2,2<𝒙 (|𝒙|>2も可)
(5) 𝒂𝒙²-2𝒂𝒙+𝒂≦3
𝒂(𝒙-2)²≦3
𝒂=0のとき、0≦3となりすべての数𝒙は
これをみたす。
𝒂>0のとき、(𝒙-2)²≦³/𝒂
-³/𝒂≦𝒙-2≦³/𝒂
(-³/𝒂)+2≦𝒙≦(³/𝒂)+2
𝒂<0のとき、(𝒙-2)²≧³/𝒂
ここで、(𝒙-2)²≧0, ³/𝒂<0であるから、
すべての数𝒙はこれをみたす。
よって、𝒂>0のとき (-³/𝒂)+2≦𝒙≦(³/𝒂)+2
𝒂≦0のとき すべての数𝒙