キタサンブラック

父ブラックタイド(SS×Alzao/リファール系)
母父サクラバクシンオー(プリンスリーギフト系)
母母父Judge Angelucci(ボールドルーラー系)


仁川…あっさり勝ちよるで。

淀…幻想や。

仁川…「キタサンブラックの勝ちはない」のほうがよっぽど幻想やで。

淀…過去15年(京都代替2006年は除く)で父SS系は6勝だけや。ステイゴールドが5勝、ディープインパクト1勝。2着馬9頭やからSS系が勝ちきれんレースやというのが基本や。ロベルト系もステイゴールドも不在やった昨年は父ディープインパクトのマリアライトが勝ったが、基本的にステイゴールド以外のSS系は疑ってかからなあかんレースや。

仁川…疑うのはええがキタサンブラックの勝ちはないと決めつけるのはなんぼなんでも。

淀…そやから言うてますやん。ロベルト系のゴールドアクターに◎を打ってんから1番人気のSS系を頭で買うわけにはいかんのや。アーネストリーが勝った2011年も1番人気ブエナビスタは頭で買うてないで。

仁川…ブエナビスタとキタサンブラックを同列に扱うのは如何なものか。

淀…馬場改修以降でボールドルーラー系持ちは皆2着までや。勝馬はおらん。

仁川…そんなん難癖や。

淀…ほな、君の好きな過去10年の傾向をひとつ言うたるわ。春天の勝馬は宝塚記念0勝。

07年メイショウサムソン→2着
08年アドマイヤジュピタ→不出走
09年マイネルキッツ→7着
10年ジャガーメイル→8着
11年ヒルノダムール→不出走
12年ビートブラック→9着
13年フェノーメノ→4着
14年フェノーメノ→不出走
15年ゴールドシップ→15着
16年キタサンブラック→3着

馬場改修以降、春天の勝馬から優勝馬は出とりまへんで。こういう血以外のデータにはあまり頼りたないんやが、君が難癖やとか言うから敢えて出したったわ。どや、これ。

仁川…そんなん知ってるわ。知ってるけど今年のキタサンブラックは昨年よりも上の段階に入ってる。そういうゾーンに入ってるんや。過去のデータで計れるような存在ではない馬になってるんやないかと。嘗てのテーエムオペラオーみたいな。

淀…サドラーズウェルズ系のテーエムオペラオーを引き合いに出されてもなぁ。

仁川…テーエムオペラオーも母母父がボールドルーラー系でっせ。

淀…テイエムは4歳時に春天1着→宝塚1着やが、5歳では春天1着→宝塚2着やで。去年ならテイエムを引き合いに出しても、ちょっとは説得力あったが、既に4歳の昨年に春天1着→宝塚3着の“実績”があるキタサンブラックにテーエムオペラオーを重ねて見るのは無理がある。そもそも、母母父がボールドルーラー系という共通点をいう前に、テーエムオペラオーはオペラハウス×ブラッシンググルームという重厚な欧州型ステイヤーであることを前提とすべきやろ。特にサドラーズウェルズ系であること。昨年勝ったマリアライトの母父は、その母父サドラーズウェルズに規定されてるエルコンドルパサーであることに意味を見出だすべきなんや。

仁川…言うてる意味イマイチわからん。

淀…キタサンブラックは勝てんということや! 勝てんどころか馬券圏外もあるっちゅーことや!