『日本の歴史的広告 クリエイティブ100選』岡田芳郎・著 宣伝会議 | 思考進化論のブログ

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『日本の歴史的広告 クリエイティブ100選』
岡田芳郎・著 宣伝会議


1913(大正2)年2月18日、星製薬の「求婚広告」は典型的なス
タンツ広告(読者をアッと驚かす、トリッキーな広告)である。長
谷川まつ子という17歳の和装の美人が結婚相手を求める体裁で、
く読んでゆくと「淋病新薬ホシノゴール及び梅毒新薬ホシサヨリン」
の説明になってゆく。巧みな構成で読者は興味を抱かずにはいられ
ない。学歴、年齢、収入、持参金など、具体的に結婚相手の条件が
記されている。これは薬のターゲットでもあるのだろう

1918(大正7)年1月12日、森永ミルクキャラメルの広告は、こ
の年の1月に引退した最強横綱へのオマージュだ。スペース中央に
横綱太刀山の大きな手形が突き出すようにこちらに迫ってくる。突
っ張りで一時代を築いたスピード溢れる相撲。拡げられた力強い指
からパワーが発せられている。原寸大の手形に多くの読者が自分の
手を重ね合わせ太刀山の手の大きさに驚いたことだろう。黒い掌に
白抜きで、「天下無敵 実質の抜群! 名声の卓越! 森永ミルク
キャラメル」と文字が入る。まさしく天下無敵の横綱の「お墨付き」だ

1928年(昭和3)年9月25日の「懸賞模擬総選挙」は、雑誌「平
凡」創刊を強烈にアピールする大胆な広告だ。この年2月20日、
通選挙法による初の衆議院議員選挙が行われたが、有権者は満二十
五歳以上の男性に限られ、治安維持法による思想弾圧の下での選挙
だった。「国が興るも興らぬも一に適材が適処にあるか否かによる。
普通は実施せられたが果して適当なる人物が議会に送られたか。帝
都市会の醜悪、政局の不安定、政党の利己的離合、今や国民は新人
物の出現による正しき政治の実現を望んで止まない。」コピーは実
施された普通選挙を厳しく批判し、平凡社自ら模擬総選挙を行い、
全国各地の理想的人物を選ぶことを呼び掛けている

1957(昭和32)年4月~6月に行われた森永製菓「森永のエンゼ
ルは…男の子? それとも女の子?」クイズキャンペーンは、大き
な話題になった。60日間に438万5000通という驚異的な応募数を
記録。投票の多いほうを正解にするところがミソだが、キャラメル、
チョコレートの外箱に答えを書いて送るため、販売に直結するキャ
ンペーンだった

1959(昭和34)年4月27日、日本麦酒(現・サッポロホールディ
ングス)「ミュンヘン サッポロ ミルウォーキー」は、世界に視
座を置いた鮮やかな広告だ。「これが世界のビール三大名産地です」
と一言でサッポロビールの優位性を表現する。広告のビジュアルは
世界地図が大きくひろがり横に一本の太い線が引かれている。「い
ずれも北緯45度付近にあって、優秀なホップを栽培できる気候に恵
まれているのが特長です」とコピーは記す。たしかにミュンヘン、
サッポロ、ミルウォーキーがそこに位置している。サッポロが、ビ
ールの本場として知られるミュンヘンと同緯度にあるのはクリエイ
ティブの「発見」といえよう



『日本の歴史的広告 クリエイティブ100選』岡田芳郎・著 宣伝会議



目次

第一部 奇想天外、あっと驚く、人を惹きこむ広告
第二部 アイデアに満ち、企画性豊かな広告
第三部 新しい試み、実験、新機軸を知らせる広告
第四部 思わず笑ってしまうユーモラスな、面白く、考えさせる広告
第五部 魅力的で、好奇心をそそられる広告
第六部 文化性に溢れ、人間性豊かな広告
第七部 社会に訴える、問題提起する広告
第八部 タイムリーで、時代のニーズにこたえ心をうつ広告
第九部 物語性のある、感動的な広告