持ち家と賃貸
「持ち家と賃貸はどっちが得か?」といった議論が為されるたびに、「結局どちらとも言えない」みたいな感じで終わってしまいますが、圧倒的に賃貸の方が堅実な生き方だと思います。
年収の5~6倍もの負債を抱え込み、30~40年間かけてローンを払い、ボーナスがもらえることやガンなどの病気にならないことを前提とし、払い終わった後の資産価値がどのようになっているのか分からない(建物価格は確実に低下)ような投機的なものに手を出す理由が、「老後に持ち家があった方が安心だから」というのは、大きな論理矛盾であるような気がします。
老後に安心を得たいと思う人が、なぜそこまでリスクの大きい(身の丈に合わない)投機に手を出せてしまうのか考えてみると、「みんなやってることだから」というのが一番の動機であるように思います(そもそも若いうちから老後の安心を考えて生きること自体、もったいない生き方だと思います)。
高度経済成長期のように日本全体がガンガン儲かり、従業員達も永遠の成長を疑わないようなご時世であれば「家でも買うか」なんて豪儀なことも言えたと思いますが、ある特別な時期に流行した行動習慣に何となく従ってしまうのは、かなり盲目的だと感じます。
ちょっと前のコマーシャルかなんかで、「普通の人が普通に働いて、普通に家が買えることが普通だ」みたいなニュアンスのものがありましたが、そんなの普通じゃないと思います。
地震保険に加入していても建物の時価額の30%~50%ぐらいまでしか補償されないため、阪神大震災の時には建物が壊れたのにローンのみが残ってしまい、二重債務を抱えた人が15000人も発生したそうです。銀行やローン会社がどれだけ儲けているのかを知れば、勝ち目の低いギャンブルをやらされていると感じるはずです。
「いざとなったら家を手放せばなんとかなる」といった考えは、リスクマネジメントというよりも、どちらかといえば神頼みに近いと思います。新築は住んだ時点で中古となり、いきなり30%も価値が目減りします。そんなやくざな商品に手を出すくらいなら、その時その時の収入に応じた賃貸に住み、いざという時に即応できる現金を持っていた方がはるかに柔軟であると思います。