右斜め後ろ | Masahiro Yamazakiのブログ

右斜め後ろ

その日は2時間ほど全力でこいだので、体はずいぶん疲れていました。かなりお腹が空いていたので、5km先にある山田うどんで、ちくわ天そば大盛りを食べようと決めていました。

信号待ちをしている間は、ずっとちくわ天そばの事を考えていました。その信号を過ぎると、山田うどんまでは1つも信号がないので、力の限り飛ばそうと思いました。その信号には2~3台のロードレーサーがいました。

信号が青になって1kmほど進んだ時、さっき信号待ちをしていたロードレーサーの1台が、右斜め後ろにピッタリくっついていることに気が付きました。ほんとびっくりするぐらい近くに付かれていたんです。

その日はかなりやる気があって、調子に乗ってもいたので、スピードを上げて一気に引き離そうと思いました。しかし、どんなにスピードを上げても全く同じ位置でついて来るんです。

きっと相手も苦しいはずだと思って、力の限りペダルを踏み続けたのですが、どうしても距離が広がりません。そんな状態で3kmほど並走していると、自分の方に限界が来ました。右わき腹をつったのです。

情けないほど速度が落ちて、もうだめだと思いました。しかし、それでも相手は抜かしてくれずに、右斜め後ろの位置をずっとキープしています。完全に弄ばれている気がして、自分の非力さを痛感しました。わき腹の痛みが少し治まった頃に、最後の力を振り絞って再スパートをかけたのですが、普通に付いてこられていました。

青息吐息で山田うどんの駐車場に入った時も、まだ後ろに付かれている気がして振り返りました。もちろんその人はいませんでしたが、何となく恐ろしい気持ちは去ってくれませんでした。汗がひくまで、山田うどんの駐車場で15分ほど放心していました。

吐きそうになりながらちくわ天そばを食べ終えて、フラフラと家路につきました。でも何か、新たな自転車の楽しさを見つけた気分になりました。