見出しを見て父親を思い出したりした

僕の父親は、小学生になったばかりの僕に鉛筆削り機を使わせずにナイフで鉛筆を削ることを義務づけていた
何故だかわからないけれど、そう言われていたので疑う余地もなく従っていた
何年生かは記憶にないけれど、彫刻刀を使う授業の時に先生が何度も何度も『彫刻刀は危ないからね』と繰り返す言葉を、心の中で「ちゃんと使えば危なくないよ」と呟きながら聞いていた
あれから数十年
人生の中の要所要所でナイフを使う機会に出くわして、その都度「ちゃんと使えば危なくないよ」と呟きながら木を削った
小学生になったばかりの僕に、ナイフで鉛筆を削ることを義務づけた父親は、晩年 酒に飲まれて死んでいった
ナイフの使い方を教えた理由も
酒に飲まれるようになってしまった理由も
結局は聞けないまま
「キャンプでは酒とナイフを上手に扱うのが大人のたしなみ」
この見出しを見た時に、ふと父親のことを思い出した
ナイフの扱いは "人並み" なのかもしれないけれど
酒の扱いは "並み以下" だろうと自覚する僕は
まだ大人のたしなみが出来ていないみたいだ
昨日は休み
明日は休み
勝っても負けても関係のない消化試合をやっているような月曜日に。