お盆 | flat3 football club 監督日記

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街の片隅で細々と活動しているU-15のサッカークラブでした。

できるだけボールを蹴らずにサッカーが上達する方法をさがしていました。

今は「教えない指導」「教えない教育」の布教活動中です。


母親から

『来れないか?足が痛くて歩けない』

とメールが届いた


元気なだけが取り柄であるような母親からの

元気のないメール


家に着くと

ベッドで横になっている母親

『原因がわかれへんのよ。とにかく痛くて立ち上がられへん』と



父親の仏壇には綺麗な花と真新しいロウソクにゆらゆらと揺れる小さな炎



どうすることもできないので

テレビを見ながら母親の様子をうかがっていると

『喉が渇いたから冷たいお茶をもってきて』

と言うので冷蔵庫に冷やしてあった麦茶を小さな水筒に入れて渡した


『少しお腹がすいたから甘いものを買ってきて』

と言うので近所のスーパーマーケットに買いに行って渡そうとしたらイビキをかいて寝てた


とりあえず買ってきた「あんみつ」を冷蔵庫にしまって再びテレビを見ながら母親の様子をうかがった



「できるだけお盆休みの外出は控えましょう」と

数日前まではオリンピックでおおはしゃぎしていたアナウンサーが無理やりかしこまった顔をして言う



気持ち良さそうに寝ているけれど足が痛い母親は2時間たっても起きなかったのでそっとカバンを持って玄関に鍵をかけ家を出た


自分の家に戻るとほどなくしてスマホが揺れだした


『あんた、いつの間に帰ったん?』

と母親からの電話


イビキをかいて気持ち良さそうに寝ていた母親を2時間見守ったけれど起きなかったので帰ってきたことを伝えると

『私はイビキなんかかけへんわ!』と

張りのある声で言う


その張りのある声を聞いて少し安心しながら「はい、はい」と気のない返事をして電話を切る



空から降ってくる雨粒を見ながら

「お盆」の始まりを感じていた。