中学校生活は、それなりに楽しく過ごしたはずなのに。
その日は、大好きだった同級生の女の子も一緒に卒業式にいたはずなのに。
彼女との会話の記憶もなければ、クラスメイトとの会話の記憶も何もない。
誰からも『第2ボタンをちょうだい』って言ってもらえなかったからかな。
今、当時の心境を予想してみると……
2月から高校のサッカー部の練習に参加していたからだろう。
『全国大会に出るんだ!』と、夢と希望に満ち溢れて進んだ先が悪夢と地獄の場所だという現実を知ってしまったからだろう。
『俺が一番上手い』と思って行った先に、自分より上手い同級生が百人近くいる現実に直面した後だったからだろう。
きっと中学校の卒業式なんかどうでもよかったんだろう。
周りの反対を押しきって進んだ先がとんでもない場所だったことがわかってしまって、それどころじゃなかったんだ。

中学校の卒業式、やり直せたらなぁ。
彼女と写真撮りたかったなぁ。