今日は映画のレビューに初チャレンジ。
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2019年アカデミー賞
長編ドキュメンタリー部門 受賞
「フリーソロ」
(アメリカ 2018)
「高さ975メートル断崖絶壁。
ロープなし。素手で登りきる。」
なぜだかこういった題材に惹かれてしまう。
実話をもとにしたフィクションではなく、
正真正銘の実話、ドキュメンタリー。
観る前から胸がモゾモゾいたします。
ロープや安全装置なし!
本当に自分の身ひとつで山や
断崖絶壁を登る極限のクライミング。
そのフリークライミング界のスター、
アレックス・オノルドがカリフォルニア州
ヨセミテ国立公園にそびえ立つ巨岩、
エル・キャピタンに挑戦するまでの
一年間を追っています。
とにかくチャレンジしようとしていることが
むちゃくちゃ過ぎる!!
命綱なしで東京スカイツリー
(634メートル)よりはるかに高い
絶壁を登ろうというのだから。
必然的にその偉業を見届けようとする
こちら側にもものすごい緊張感を
強いてきます。
始まってしばらくは普通の
ドキュメンタリーとあまり違いはない。
滑落して足を骨折したり、
恋人の存在に悩んだり、
大きなチャレンジを前に自分でも
説明のできない理由で
登るのをやめてしまったり。
しかし、刻一刻と「その時」が
迫ってくるにしたがって
何とも言えない不穏な空気に包まれ始める。
「足を踏み外して落ちるのではないか、
もう2度と彼に会えないのではないか。」
彼の周りの人間と観客はその不安に
覆われるが ついに「その時」は訪れる。
するっと登り始めた。
なんの気負いもない様子で。
そこから彼は普通の人ではなくなった。
もはやスポーツとは言いがたい、
命をかけたこの行為が、常人の感覚では
想像すらできない領域に入っていった
瞬間だった。
数ミリ、数センチの世界。
ミスは絶対に許されない。
見守るという言葉では生やさしすぎる
緊張感に耐え切れず、撮影クルーの
一人がカメラから目をそらしてしまう。
苦虫を嚙み潰したような表情で
他のクルーに思わずつぶやく。
「よく見てられるな。」
それは観客側も一緒だ。
不安でこわくてできればこれ以上
見ていたくない。
早送りできたらどんなにラクか。
あと少し、あと少し。
張り詰めた感情に耐えながら
壮大なエル・キャピタンに挑んだ
アレックスのゴールを願う。
鑑賞しながらずっと思っていた。
この人、クライミングが好きなのかな?
そこは本人しかわからないが、
「究極の完璧を成し遂げることに
達成感を感じる、究極に不器用な人」と感じた。
観るなら映画館をおススメしたい。
なぜならこの緊張感、
ひとりではムリだから!!!




