武藤敬司&船木誠勝
小島聡&ゾディアック
諏訪魔&河野真幸
曙&浜亮太
TARU&ジョー・ドーリング

ここまではまあ良しとして、
真田や征矢、NOSAWA論外に
最強タッグの舞台は100年早いだろう。

あと、せっかく長州を出すなら
天龍クラスのパートナーが欲しかったし、
鈴木と高山が揃うのなら、
この二人もタッグで良かったんじゃないか。

プロレスがプロレスであり続けるためにも、
歴史やブランドを軽んじてほしくないのである。
今さらという話だけれど。

ライガーが素顔で闘うところを見てみたい。

あれだけ感情を表に出す選手である。

素顔になれば、今とはまたぜんぜん違う魅力が出てくるに違いない。

あの仮面が、むしろ彼本来の魅力を消し続けてきたような気がしないでもないのだ。
最近、中邑の顔を見て感じたこと。

レスラーとしてけっして悪い面構えではないと思うのだが、
いかんせん、ふとした時の表情がダメすぎる。

かつて、僕らのアントニオ猪木は、
どの写真を見てもほれぼれするほど格好良かった。

言っちゃ悪いが、
あんなにアゴが出ているのに、である。

ゴールデンタイムのスーパースターと
深夜放送のB級タレントの違い、と言ってしまえばそれまでだけれど、
常にカメラの位置を意識して表情をつくるなど、
やはりそこにも「いつ何時」の姿勢があったように思う。

チャンピオンたるもの、闘いはリングの上だけじゃないのだ。
今となっては優柔不断な性格ばかりが話題になる藤波だが、
ことプロレスに関しては、やはり猪木に次ぐ不世出の天才だと思う。

何をもっての天才か。

技の的確さや身のこなし、感情の出し方などが思い浮かぶけれど、
単にそれだけで言うのなら、他にも凄いレスラーは数多くいる。

でも、相手の力を引き出すこと、
言いかえれば「闘いを引き出す」という意味では、
今の現役レスラーで藤波以上の天才はいないと思うのだ。

小川にしろ、中邑にしろ、
あれだけの素材・素質を持ってしても、
「プロレスラー」としてはまだ未熟である。

そんな彼らに、今こそ藤波を体感してみてほしいのだ。

もはやかつての動きは期待できないとはいえ、
藤波にはまだまだやるべきことがあるように思う。
これからのIGFに期待したいこと。

それは、ずばり「団体化」である。

どんなに猪木の理念を掲げていようと、
所属選手がいないとファンも思い入れを持ちづらい。

本当の意味での求心力を得ようと思ったら、
そして「外との闘い」を踏まえるのなら、
やはり団体としての体を整えることは欠かせないと思うのだ。

IGFが単なる「闘いの場」ではなく
「闘う集団」になったとき、ストロングスタイルは復興する。
週プロのロングインタビューを読んだが、
想像以上に小川が「IGFラブ」だったことに驚いた。

そして、さらに意外だったのが、
あの藤田にもIGFに来てほしかったという話。

確かにプロ入り当初、藤田を練習台にしていたのは記憶にあるが、
それ以降はほとんど接点は無かったはずだし、
まさか「同志」的なシンパシーを感じていたとは思わなかった。

かつて猪木から言われたことが今になって理解できるという話もあり、
むしろ中邑とも話せば意気投合するんじゃないかと思った。

いずれIGFの名のもとに小川と中邑が手を組んで、
闘いの無くなった新日に喧嘩を売る。

そんな風景も見てみたくなってきた。
中邑発言に対する猪木の返答。

正直予想どおりの反応だったけれど、
どこかで「もしかしたら」という想いもあっただけに、ちょっと残念な印象が拭えない。

すでに引退している猪木に、リングに立つ気持ちが無いのは当たり前である。

でも、そんなことは承知の上で、中邑はプロレスを仕掛けたのだ。

ここは猪木にもプロレスで返してほしかった。

なぜ、「相手を用意するから、俺の前でお前の魂を見せてみろ」ぐらいのことを言わないのか。

神なら神らしく、それなりの返答っていうものがあったような気がするのだ。

ここ数年、猪木という存在を「無かったこと」にする一方で
あっちこっちの団体と「対抗戦」とは名ばかりの協調を続け、
本来の「闘う姿勢」を失いつつあった新日本プロレス。

そんな中にあって、今回の中邑発言は本当に貴重な発言である。

プロレスが再びかつての緊張感を取り戻せるかもしれないこのチャンスを、
どうか大事にしてほしいと思うのだ。
昭和62年6月12日、両国国技館。

ナウリーダー vs ニューリーダーが勃発した日の映像を
YouTubeで久しぶりに見た。

猪木vsマサ斉藤の試合後、
おもむろに長州のマイクアピールから始まるこのシーン。

確かTVで生中継していたはずだし、
まさかアドリブだったはずはないと思うのだが、
今見てもリング上の空気はガチンコそのもの。

天才・猪木は別格としても、
そこにいるレスラーたちの表情がいちいちリアルなのだ。

じゃあ今の新日のレスラーがこれをやったらどうなるか。

きっと演技丸出しで、
とても見ちゃいられないものになると思う。

単に「役者の違い」で片付けていいものか。

今、なぜあのリアル感が出せなくなってしまったのか、
正直不思議で仕方がない。
TV放映が打ち切られ、三沢も亡くなったノアから
「今がチャンス」とばかりに誰かを引き抜くとか、
なぜそういう発想をする団体がひとつも無いんだろうと思う。

だって、この不況の中、
目の前でライバル企業が窮地に陥っているのである。

世の中的な考え方からすれば、
「助けよう」という気持ちよりも、
一気呵成につぶしにかかるのが常識である。

でも、につぶされそうになったほうだって、
もちろんただでは転ばないはず。

かつて天龍らの大量離脱後、
全日に四天王プロレスが生まれたように、
そういう健全な企業競争があってこそ、
業界は活性化し、結果として共存共栄できるのだと思う。

時代のせいだけじゃない。

マット上における闘いはおろか、
団体同士の関係からも闘いが消えたことが、
今のプロレス界の現状を招いている。
ユークス体制になった新日は、
一時期の低迷を脱し、確かに安定感を取り戻しつつある。

少し前の話になるけれど、
天山と飯塚の友情タッグ結成から、
飯塚のまさかのヒールターンに至る展開なんかは、
「ファンの予想を裏切る」という意味で
久しぶりに新日らしい演出だなぁと思ったし、
棚橋もいいレスラーに成長した。

が、個人的にユークス体制には全く乗れていなかった。

それは、猪木という存在を「無かったこと」にしてしまったから。

新日というブランドの一番の核であったはずの猪木を除外し、
「闘うプロレス」から手を引いてしまった時点で、
それはもう新日ではないと感じていたからだ。

そんな中で飛び出した、中邑の爆弾発言。

ここ最近、インタビュー等でさかんに猪木の名前を出してはいたけれど、
まさかこういう手段に打って出るとは夢にも思わなかったし、
久しぶりにドキドキする仕掛けである。

この感じ。

このシュート感こそが、新日本来の魅力であり、
馬場プロレスには無い最大のセールスポイントだったはずなのだ。

ここからどう転ぶのか。

おそらく本当にシュートだったはずの中邑発言に対し、
早速記者会見を開いたIGFはさすがだと思った。

そして、IGF入り後やけに大人しかった宮戸氏が
フロントとしてようやく「本領発揮」する機会が訪れたと思うと
そっちの意味でも期待してしまうものがある。

ただ、矛盾してしまうのだが、
すんなり闘うことにはならないでほしいとも思うのである。

今、中邑がIGFに殴り込めば、
どんなレスラーと闘おうと魅力的に見えるはず。

でも、これまでのさまざまな抗争がそうだったように、
刺激的な闘いほど飽きるのも早い。

喧嘩は確かに見たいけれど、
直接は闘わず、ライバル意識丸出しで興行戦争を仕掛けあうような、
そういう関係であってほしいと思うのもまた事実なのだ。

何にせよ、再び緊迫した関係となった新日とIGF。

この関係性は間違いなく魅力的であるし、
まさしく猪木イズムそのもの。

今後の展開に期待したい。