海藻サラダは、海の色をした艶やかな青色の平皿に乗って出てきた。
まるで生きているようだった。
照らす灯りは、流木と思われる細い木を編んでシェードにしてあり
二人用の机の端には、醤油の小瓶と並んで極小さな小瓶に花が一輪活けられている。
料理は、どれもひとつも手を抜いておらず
かといって背伸びもせず
飾り付けや薬味で誤魔化そうともせず
ただ、食器との調和をよく考えられていたように思う。
あらゆる工夫により、味や値段ではなく、見目や雰囲気で客をもてなそうという気概が溢れた店だった。
酒の種類がもう少しあれば、良かったのに。