ある日気がついたら

その列車に乗っていました。

どこから来たのかどこへ行くのかもわからないまま

その列車に揺られていました。

 

よく見ると、

前には別の車両があるのがわかりました。

たくさんの人がそこに乗っているのです。

カーブにさしかかった時に、

はるか前方遠くまで連結されている車両が見えました。

幾重にも幾重にも。

ああ一人ではなかったのだという安堵と、

先頭さえ確認できないという列車の長さに眩暈がします。

 

一人だと思っていた自分の車両にも、

知らぬまに ぽつりぽつりと人が増えています。

あれよあれよという間に

座席が埋まり 乗客が重なるように立っているのです。

留まることなく、

人の波が車内におしよせてくるのです。

 

振り返ると、

さっきまでは何もなかったはずの場所に車両が繋がれていました。

そして、一人また一人と

そこへ人影が重なってゆきます。

後部の車両もどんどん増えているのです。

 

千尋の乗った電車みたい。

ゆ~らゆら。

この列車の行き先はどこ?

わかっているのは、

更にどんどん乗客は増え続けるということ。

後ろの車両がふえてゆくということ。

春夏秋冬、

世に何が起ころうとも。

地震や災害があったとしても。

コロナがあってもなくても、

これだけは確実なことなのです。

今日は別の世界にいた方たちが、

明日はこの列車に乗ることになる。

そんなことがあってはならない。

あってほしくないと頭では思っても、

それを止める手立てはないのです。

それが現実。

そんな残酷な現実に、胸がかき乱されるのです。

 

 

 

 

去年 3男のクラスメートからプレゼントされた胡蝶蘭。

3度目の花を咲かせようと

つぼみを膨らませているところです。

 

 

 

 

  自死遺族・死別