
自分の場合、彫師として彫るという作業には
3つのケースがあります。
1つめは「お客さんの彫りたいものを忠実に彫る」
持ち込みデザインや文字などは、これに当てはまります。
tattooのためのデザインではないものを
tattooとしてより綺麗に見せるために描き直したり、
文字の場合だと、文字間・行間のバランスやスペルチェック、
年数が経っても綺麗の残るためには,,,
なんてことを考えながら取り組みます。
2つめは「モチーフオーダー」
例えば、龍。
部位はココで、こんな感じに仕上げてよ。というケース。
プロとしてお客さんのイメージする龍を裏切ることなく、
確実にそれ以上に仕上げたいと思うワケですね。
龍の顔だって一応は数種類は描けますので、
和っぽい感じ?精悍な感じ?炎は好き?などと、
イメージを具体的にしてゆくところから始めます。
自分の感性優先というより、
お客さんの注文に、自分の味付けで料理した感じ。
3つめは「お任せ」
お題は当然いただきますが、「全部アンタに任せた」と。。。(笑)
これはお互いの信頼関係があるからこそ、言ってもらえるひと言で、
彫師冥利に尽きると
ありがたく思わなければいけないことだと思うのですね(_ _)
すでにあるtattooとのバランス、その人の体格や好み...etc
自分の満足のためではなく、
お客さんのために、できるすべてを出し切りたい。
プレッシャーも相当なものですが、
彫師としての快感もなかなかです(笑)
「好きにやっちゃってください」
お客さんのひと言でスタートした
ヒザ下トライバル埋め尽くし大作戦。。。




何度も足を運んでいただき、その度に何時間も痛さに耐え....
彫り上がって、まず言われた言葉。
「KANさん、楽しめた?」
今までの彫師人生の中で、はじめてだ。
一生忘れないよ。この言葉。
相手がいるから成り立つ仕事ということを
あらためてじんわりと肌で感じた日。
ナベさん、ありがと。
彫師で良かったよ。。。
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