野良犬が
花子を抱き締めて
眠ってくれたおかげで
太郎のあの行為に
何一つ意味のない事
気付いてしまった。
なんか
切なくて
少しだけ
泣いた。
心地よかったあの温度も
幸せな気持ちになったあの感覚も
全部全部
太郎にとっては
どうでもいい事。
わかっちゃいたけど
やっぱ切ない。
気持ちなんかなくても
あんな風に
まるで愛し合ってる恋人同士のように
同じ時間を過ごす事のできる人って
...いるのね。
そりゃ
花子だってそこまで小娘じゃないもの
分かってはいたのよ??
これは
本物の愛ではない
って。
でも
あまりにも愛に似た何かで
思わず少しだけ
勘違いしてしまったのよね
『もしかしたら
本物になるかも』
って。
寂しい想いを
隠して生きてる30女に
あの温もりは
反則よ。
いつだって心では
暖かな温度を
求める女には
大反則だわ。