テニスをプレーする感覚というのは、非常にあいまいで個人差が激しい。
柔らかいとか良く飛ぶとか、僕もよく使う表現ですが僕基準での表現になってしまいます。(極力一般化したうえで使うようにはしていますが…)。
誰ひとりとしてデータで示せていないのです。
僕個人の意見ですが、メーカーだってあやしいもんです。
ラケットの振動減衰特性を厳密に評価する方法があったとしても、張り上がったラケットの変形具合、面圧の数値、ボールの状態などなど、データを採取する環境が全て均一かといえば、そうではないと思うのです。
ストリンガーズ協会のある大先輩に聞いてみました。大きな大会でオフィシャルストリンガーを務めている方です。
『各メーカーにラケットを一切変形させずに、完璧な再現性も備えたストリンガーっているんですかね?』
先輩はこう答えました。
『いや、それはないっしょ』
ラケットの剛性やスイングスピードなど、物理的な特性はきちんと測定できると思います。しかし、「張り上げ」が加わると一気にややこしくないます。
スイートスポットの位置や大きさ、打球感、飛び、コントロール性能など、これらはラケットとストリングと張り上げの組み合わせが大きな影響を与えるデータです。
何かが少しでも違えば、結果データを対象として比較することができないのです。
メーカーは、2万も3万もするラケットをユーザーに売りたいのであれば、もっと信用できる実験データを提示するべきだと思います。
でもそんなこと絶対してくれないので、以前にも言いましたが、少しずつ自分でやっていくしかなさそうです。
実験とかデータ測定とかってこういうことだったのですね。
光電気化学は入口で挫折したまま記憶の底に沈めましたが、この分野ならがんばれそうです。