アイランドさん から質問があったので現状で知っていることを軽く

注(あくまで知っていることで書かれていることを鵜呑みにしているだけです
まだそれがどうやって導出されていることなどは確認していませんし
確認したいと思っているだけです
間違っていることや、さらに新しい研究で異なっている可能性も十分にあり得ます
なんか違ってることがあれば教えていただけたら幸いです)



ホーキング放射の論文(1975)がでる以前にはかなり一般相対論について研究がされており
当時分かっていることでブラックホールが熱力学の法則を満たすであろうと考えられていた

熱力学の法則とは
熱力学第0法則、第1法則、第2法則、第3法則の4つで

基本的に満たすようであろうと思われていた

この中でも第2法則に関して議論する。

第2法則は熱力学ではエントロピー増大則である

熱力学に関して次の関係式が存在する


U:内部エネルギー、T:温度、S:エントロピー、p:圧力、V:体積

ブラックホールの研究から
ブラックホールは


を満たすことが分かっていた
M:ブラックホール質量、κ:表面重力(説明割愛)、A:事象地平面の面積、Ω:角速度、J:角運動量

この式同士のアナロジーから
ある意味で事象地平面の面積Aはエントロピーに、κは温度に対応しているであろうと思われていたが

ベッケンシュタインはAやκはエントロピーと温度そのものだという提案をしている


元々ホーキングは1971~1973あたりに古典的にはブラックホールにおいて
事象の地平面の面積は減少しないという理論をだしていた

そのため、第2法則も守られているだろうと思われた。

しかし、1975年ホーキングはブラックホールに量子効果を加えると
ブラックホールは粒子を放射して質量を減らし最終的にブラックホールは消滅すると提唱した。

このため、事象の地平面は当然減少する。
その結果第2法則が破れているようにみえるが

また別にベッケンシュタインはそれ以前に一般化された熱力学第2法則を提唱しており
それはエントロピーと地平面面積Aを足したものが決して減少しないものであるとするものであった

その一般化された第2法則であれば
ブラックホールのエントロピーは面積が減少した分とホーキング放射の和は
必ず増加するという結果がでるため、破れていない

そのため、ブラックホールでも全熱力学法則は守られていることになっている。


ちなみにこれらの議論は1980年頃までの議論であり、
それから裸の特異点の問題など、現在も議論されている問題もあります