谷崎潤一郎の「細雪」を買おうとして、迷った。新潮文庫のものにするか、中公文庫のものにするか。
一人の作家が複数の文庫に登場するのは、どのような経緯なのだろうか。
同じ小説が複数の文庫に登場したりする一方で、一つの文庫にしかない作品もある。
やはり、最初に出版したときの出版社の文庫に納められるということなのだろうと、想像する。
中公文庫には、挿画がある。連載したときの挿画が納められているものがあるらしい。
谷崎の「文章読本」は、中公文庫にある。文章読本は、何人かの著名な作家が書いているが、私は、谷崎のものが、一番好きだ。読みやすく、分かりやすく、しかも、この本自体が名文だと思う。最も、印象にのこったのは、含蓄、である。含蓄こそが、最も日本的で、また奥ゆかしく美しい。国際社会で含蓄などという概念は、ほとんどないだろう。あっても、それを実践することは無理ではないか。
世界でも希有な美学を大切にしたい。
で、結局、細雪は中公文庫を買った。願わくば、もう少し、字が大きいともっと読みやすいのだが。
レジでカバーをかけてもらったが、きちんと綺麗にかけられていなかった。最近、こういうことが多い。ほぼ、二回に一回はある。昔は、見ていて気持ちいいくらい手際よくカバーをかける人がいたものだ。ちゃんと寸法が本にあって、ぴしっと綺麗に折り目があり、渡された瞬間、とても充実感があった。カバーがきちっと掛けられない書店には二度と行きたくないと思うものである。大げさかもしれないが、これが、昨今の本離れに拍車をかけているのではないか、と思えてならない。細かいことだが、我々の先輩たちはこんな細かいことにこだわってきたからこそ、日本の成長があったのではないだろうか。
生まれて初めて、飛騨へ行き、チェリストで、東フィル首席の金木さんが主宰する講習会を取材してきました。東フィルの首席の方々が中心に、ゲヴァントハウス管弦楽団首席チェリストのクリスティアン・ギガーさんも講師として、また演奏者として参加されていました。

このサマーセミナーの趣旨は、かつての沖縄のムーン・ビーチ・キャンプを踏襲しているところにあると思われる。ムーン・ビーチで育った演奏家は数多い。ここ大きな特徴は、講師と生徒が、同じアンサンブルの中に入って、一緒に演奏するところにあった。それと同じことを飛騨では行なっていた。これは、本当に貴重なことで、先生と一緒にアンサンブルすることによって、生徒は、いろいろなものを会得することができる。ストリング10月号の予定です。
企業コンサルタント等活躍されている中嶋茂夫さんの「iPhone+Ipad×Googleを仕事に活かす」という講習会に行った。中嶋さんは、未年で、私より一回り年下で、なおかつ、スティーヴ・ジョブズと同じ誕生日だそうだ。マックが大好きで仕方がないそうだが、本当に楽しそうだ。彼の話の八割方、私はよく分からなかったので、彼の本をその場で買って読み始めているが、やはり、よく分からない部分が多い。それは、私の語彙不足、基礎不足に他ならないわけで、中嶋さんのせいではない。中嶋さんのような方は、本当に新しい情報をすぐに理解し、それをすぐに自分に役立てる能力に長けているのだろう。
1994年からのマックユーザーということだから、私より一年早いだけだ。でも、この差は何なのだろう。私は、ひたすら、DTPばかりやっていた。実際、当時から、DTPの先にあるものは見えていたのだが、なんせ、本業が編集者であるから、日常の編集業務、DTPに追われる十五年間だった。その結果、私もコンピュータ、IT音痴に近いのではないかと思う。
コンピュータに関しては、マックに限らず、ずいぶん、いろんな本を読んだりしたが、実際に役立ったものはほんの僅かのような気がする。というか、自分の理解の範疇に及ばないことが多かったのであろう。
例えば、最初に触れたコンピュータは、東芝のダイナブック3100だったと思うが、これが実にぼろく、ずいぶん苦労した。カーソルなど、気合いを入れないと動かない代物だった。これで、やったことと言えば、一太郎dashで原稿書きである。その後、98ノートに代わり、パソコン通信を始め、そして相変わらず原稿書き、そして、バッチファイルの作成もやった。参考書を見て、見よう見まねで、バッチファイルを書いた。そして、住所録を検索するバッチファイルも作ったりした。しかし、それがいったいなんの役に立ったのだろう。そんなものは、専用のソフトを使えばすむ話である。
そして、パワーマックから、マックを使い始めた。最初は7100、8100、8500そして8600である。ノートはあっという間に壊れて、かみさんにえらく怒られた。その後、ずっと先に挙げたマックを使い続け、昨年、十五年ぶりくらいに、新しいマック、iMacを求めた。この快適さはなんなのだ。
とはいえ、実を言うと、壊れてしまったが、98ノートNAカラーで一太郎5で原稿を書いていたときやバッチファイルを書いていた時代が懐かしい。この98ノートは、立ち上げるまでの設定が一苦労で、なんどもなんどもやり直した。
昨年末、ツイッターにひらめきを感じ、すぐにiPhone3GSにした。それから、実に重宝している。Ipadはまだ持っていない。これはちょっと様子見である。凄く期待していたのだが、Wifi環境が充実していないのと、意外と画面が小さいので、ちょっと迷っている。Ipadで楽譜を読むことは私には無理だろう。スコアを読むことはできるかもしれないが、パート譜は私には無理だ。それに、私には持ちにくい。
しかし、中嶋さんをはじめ、ばりばり使っている方は大勢いるようだ。ただ、中嶋さんも書籍に書いているが、iPhoneと比べて、新しいテクノロジーというのはなさそうだ。
とりとめもなく書いたが、実は、私もマックが好きなのである。編集業務を根底から変えたマックには畏敬の念すら抱いている。私もそろそろ55歳で、頭の方も老化しつつあるようだ。でも、iPhoneに閃いたことをきっかけに、もう一花咲かせたい、って、まだ一花も花を咲かせたわけではないが。