今年は、固定ド、移動ド、バークリー式移動ド、そしてモード(旋法)について、ずっとやってきました。専門教育を受けたことのない私ですが、玉木宏樹先生や編集部のこうご君、かみさんにいろいろ教えてもらいながら、なんとか理解してきました。その結果、思ったことは、固定ド、移動ドに関しては、パンドラの箱だった、ということ。そして、モードに関しては、これは、教育の影響だと思いますが、ほとんど意識していない人が圧倒的に多い、ということでした。作曲の世界では、ドリアン風なんとか、とか、ドリアン的ラプソディーとか、そんな感じで、モードを意識するのは、当然のような感じですが、演奏家は、意識していない人が圧倒的に多い、ということです。かくいう私も、なんとなくエキゾチックだな、ぐらいな意識しかなく、人のことは言えないと思います。でも、長調と短調だけでなく、あと五つのモードを意識した方が、演奏において、圧倒的に違ってくると私は思いたいですし、実際そうだと思えてならないです。長調と短調の違いは意識するというか、意識の無意識化かもしれませんが、少なくとも、それくらいの感覚になれば、演奏するときにかなり違ってくる、ように思います。何が違ってくるのか、それは人それぞれだと思いますが。

では、そのモードとは何か? ここで躓く方も多いようでした。まず話を簡単にします。ピアノの鍵盤において、長調はドから始まる音階。短調はラから始まる音階。では、ドリア旋法は? これはレから始まる音階です。D durではありません。白鍵だけで、レミファソラシドレと弾く音階です。同じようにミから始まる音階は、フリギア旋法、ファから始まる音階は、リディア旋法、ソから始まる音階はミクソリディア旋法、シから始まる音階はロクリア旋法であります。これは現代において、かつての教会旋法を利用した旋法であります。教会旋法では第一旋法から第八旋法までありますが、話がややこしくなるので、教会旋法は、ここでは、特に触れません。

各旋法を全てドから始まる音階に置き換えると、全音、半音の並びが一目瞭然であります。

先ほどの言い方は、平行調的に言ったもの、どの旋法もドから始まる音階に並び替えると、同主調的に話をしたことになります。

例えば、シェヘラザードの有名なヴァイオリン・ソロ。これは、ドリア旋法であります。短調でも長調でもありません。

モードを意識することは、表現の幅を広げることに他ならないように思います。人間の複雑な感情、あるいは、宇宙から自然にわたる広大な世界、そういったものを表わすのに、長調と短調だけでは、表わしきれないでしょう。五つ音階が増えただけでも相当な表現力の増大のように思います。

長くなりました。また、書きます。