バレッタ八景
第1景:イースター間近。街のケーキ屋さんのウィンドーには可愛いうさぎさんのお人形が飾られていた。
そのすぐ横には ウサギのシチュー6€6 と書いた看板があった。
マルタ人の心は複雑。慈しみたいの? それとも食べてしまいたいの?
第2景:学校からの帰り、バレッタの中心地:Marchant street を下っていると、目の前を二人の若い女性
が歩いていた。ご覧の通りの赤と黒の衣装で。
きっと旅行の前から、「この服を着て 二人で街を歩こうね」って約束していたんだろうなァ。
旅は見て楽しむだけでなく、見せて楽しむこともあるんだと知る。
日本人か、韓国人か、近寄って確かめようとしたのだけど、二人はスーッと横の道にそれてしまったので、分からずじまい。
春まだ浅い昼下がり、露出過剰な若い二人をじっと見つめるおじさん
第3景:別の日、今度はシニアのカップルが、互いに労わり合いながら、ゆっくりゆっくりと歩いていた。二人とも丸まった背中で、その歩みも一足ごとに震えるような不確かさだった。
永い年輪を経て、この旅の一日一日を、心から楽しんでいる様子が窺がえた。
素敵なカップルだなァ----と、なんだか やけに うらやましくて、しばらく目が離せなかった。
しばらく進んであとで、レストラン前の路上の椅子に座りこんでしまった。その表情は穏やかで満ち足りているようで、しばらくの間、私の心を温かくしてくれた。
第4景:あるクリーニング屋さんの看板。
この店の前を通るたびに、思い切って「この日本語 少々、不自然ですよ!」ってアドバイスしようかな
と思ったものだ。
Super Dry (極度乾燥しなさい)
と、入り口の上に掲げた看板に 英語と日本語で書いてあるのだ。
一体、誰に向かって 呼びかけているのだろう?
日本人に対してなら「スーパー・ドライ」とカタカナで書くだけで、充分だ。
それ以外の人ならば Super Dry だけで充分だろうし----。
ところが、旅立つ日、空港で、私の前に立っていた若者のジャケットの襟の部分に、このマークがついていたのだ。Super Dry (極度乾燥しなさい) と、わざわざ日本語まで添えて。
これって商標だったのかな? ひょっとして、高級感を出すために日本語を添えてるの?
第5景:旅に出るたびに 私は突然、愛国者になる。
Made in Japan製品をついついチェックしているのだ。
まずは日本車。ここでは、これまでのプリンス・エドワード島やジャージー島より はるかにたくさんの 日本車を目にする。
乗用車ではTOYOTAが多い。業務用ではNISSANとSUZUKIをよく目にする。
とくに朝9時過ぎ、学校に向かう道ではNISSAN やSUZUKI、またはISUZUが店の前に止まって荷物の出し入れをやっている。路上のアイスクリーム屋もこの車種が多い。
ときには、「○○物産」なんて漢字を書いたクルマも走っていたりして、思わず懐かしくなったりして----。
第6景:国産といえば、こんなのを見つけた!
「シバイヌ ですか?」と声を掛ければ
「Oh, Yes. SHIBA!」と答えが返ってきた。
しっぽをピンとたてて なかなか凛々しいではないか! (笑ってる?)
ロシアのプーチン大統領やザギトワ選手の例のように、最近、日本の犬が人気のようだ。
2000年代に入ったころから、ロンドンでも「柴犬」を見かけるようになった。それでも、イギリス人にはまだ珍しかったようで、通りかかった人は、
「えっ、あれは何? キツネ?!」
とか叫んでいた。
おまけの7景:マルタといえば、やはり「猫!」
犬はいずれも飼い犬だけど、猫は殆ど路上生活者。それでも街のみんなに養われて、街のあちこちに出没する。
路上の喫茶店の椅子で本を読んでいると、その後ろで長―く寝そべっている猫がいたりする。また、野外劇場の前で、石の台にバグをのせて探し物をしていると、目の前で猫がそれを見つめていたりするのだ。この猫がソレ。
何かを話しかけてきたのだけど、何を言っているのか分からなかった。ゴメンネ。




