島のコミュニティー:女たちのボランティア活動

 

キャロルの見事な「遊びっぷり」には軽いカルチャーショックを覚えてしまったが、活発なのは遊びや社交だけではない。彼女たちのボランティア活動や、地域の集会も、また盛んだった。

 

ある日の夕食後、連れて行かれた教会では、ケーキのオークションをやっていた。

 

キャロルは60ドルでケーキを競り落としたが、これは運よく(?)一番安く手に入った。他の人たちは、100ドル以上もするものを次々に競り落としていった。そのケーキは彼女たちの手作りで、売上金はすべて教会の運営資金となるという。

   

  教会の夕べの集い  庭でケーキを食べながら談笑する村人たち              

 

また、日曜日に行われる「ブランチ・デー」では、その名の通りブランチが、寄付金も含めて一人10ドルでふるまわれ、地域の人たちの社交の場ともなっていた。

 

ほかに「ソーシャル・デー」というのも盛んに行われ、これは夕方5時から7時までの間に、バーベキューと称するホットドッグと、飲み物、アイスクリームなどが無料で提供される。町内会の催しみたいなもので、これも地域の人たちの顔合わせの機会となっている。ホットドッグの代わりに蒸したトウモロコシがふるまわれることもあった。

 

キャロルはソーシャル・デーの行われる地区と日にちを記した新聞の切り抜きを、冷蔵庫の扉に貼り付けていて、その日には私たちを車に乗せて、主催地の会場に向かった。それが私たちの夕食を兼ねていた。

 

キャロルにとっては夕食の手間が省ける上、知り合いと出会える楽しみな催しともなっていたのであろうが、この「無料のディナー」(?)が、あまり美味しくなかったのは、少々残念。

 

このような様々な ボランティアと社交と相互扶助を兼ねた催しは、コミュニティーの健在を示すものと言えよう。

 

この島の女性の、この旺盛な活力は、いったいどこからくるのだろう。学校の先輩たちに尋ねまわったところ、盛んな遊びも社会活動も、ごく日常的なものだという。

 

「時々、誘われるけど、彼女のペースについていくのは大変」と言ったのは、まだ30歳前後の日本人の女性スタッフ。

 

そういえば『アン』の中のマリラやリンド夫人も、しばしは教会のボランティア活動や、地域の集会に出かけていたことを思い出した。ダイアナの妹が夜中に急病にかかって、アンが駆けつける場面があったが、あの時はマリラとリンド夫人が政治集会に泊りがけで出かけていて、留守だったんだ。

 

100年以上も前のあの時代に、既婚夫人が泊りがけで政治集会に出かけていたなんて、さすがに、本国イギリスよりも先に女性が選挙権を得た国だけある-------と改めてこの島の女たちに受け継がれている女性の社会参加の伝統を想う。

 

1970年頃から「列島改造」という掛け声の元に急激な開発に走った日本が失ったもの、つまり自然の豊かさと、農村社会のコミュニティーの固い絆が、ここにはまだ健在であった。

 

「マリラ&リンド夫人」が生き生きと活動する社交と奉仕の世界が、キャロルたちの姿と重なってみえた。