お別れ
6日 いよいよお別れの時を迎えた。
トロを火葬する。
いつまでも引き留めておく訳にはいかないからね。
斎場までは渋滞もなく30分程で到着。
手続きをしている間にも予約の電話が鳴り、箱を抱えた人たちが次々と入ってくる。
火葬を終え、トロの遺骨の前へ。
猫の骨とはこんなにも華奢なものなのか。
今日はトロの晴れの日。
明るく送り出そうと決めていたのに。
この胸の苦しさは、心に穴が空く、なんてものじゃ済まされない。
生きたまま臓腑を抉られるような痛み、と言った方が相応しい。
心の中で唱える。
ありがとう。
そして、ごめんなさい。
僕らはちゃんと笑顔でいられたかな?
自宅に戻り、玄関のドアを開けた瞬間、チリチリン。
僕ら二人は同時にトロの鈴の音を聞いた気がした。