ウルトロ日記 -6ページ目

ウルトロ日記

我が家の愛猫トロがリンパ腫に!!その闘病生活の記録。

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止まった時計

火葬からの帰り道、ふと、街路樹に目が留まる。
まだ大半の木々は青々と葉を茂らせているが、一部は色づき始めている。
トロのお花を買いに行けば、店先には秋物が並ぶ。

唐突に世の中のそんな変化に気付く。
6月に突如、トロに病魔が襲いかかって以降、僕らのすべてはトロの回復に注がれた。
僕らの時計は止まっていたが、そんなことなどお構いなしに季節は巡る。

暑さ厳しかった今夏。
僕らに残ったのは、病院と自宅看護、それと仕事の記憶だけ。
必死であがいた夏だった。

トロに治療を施すことを選択したが、それが正しかったのかと自問する。
答えは出ない。
まだ、しばらくは僕の時計は動き出しそうにない。


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お別れ

6日 いよいよお別れの時を迎えた。
トロを火葬する。
いつまでも引き留めておく訳にはいかないからね。

斎場までは渋滞もなく30分程で到着。
手続きをしている間にも予約の電話が鳴り、箱を抱えた人たちが次々と入ってくる。

火葬を終え、トロの遺骨の前へ。
猫の骨とはこんなにも華奢なものなのか。

今日はトロの晴れの日。
明るく送り出そうと決めていたのに。

この胸の苦しさは、心に穴が空く、なんてものじゃ済まされない。
生きたまま臓腑を抉られるような痛み、と言った方が相応しい。

心の中で唱える。
ありがとう。
そして、ごめんなさい。

僕らはちゃんと笑顔でいられたかな?

自宅に戻り、玄関のドアを開けた瞬間、チリチリン。
僕ら二人は同時にトロの鈴の音を聞いた気がした。


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心の準備

5日 トロには申し訳ないが、もう一日だけ我家にいてもらう。
僕らが心の準備をするために。

泣き腫らした目蓋が重い。
ソファの上のトロは、まるで陽だまりで昼寝をしているかのようだ。
毛づくろいしているトロの気配を感じた気がして何度もトロを覗き見る。
静かに寝息を立てているような錯覚を覚え、トロのお腹に手をやる。
お腹が静かに上下しているように感じてしまう。

このままずっと手許に置いておきたいが、それではトロに申し訳が立たない。
市の斎場に翌日の火葬を予約した。

心の準備はしていなかった。
どんな困難な病すら乗り越えられると信じて疑わなかった。
結局、僕がトロ離れ出来ていないのだ。
ようやくトロが楽になれたのだ。
一緒に喜んであげなくちゃね。